今年も年賀状を戴きましたが、その内の何枚か来年から年賀状を辞退する旨の内容が書かれた「はがき」が届きました。
このような断りを書いてくる人は、いろいろな思いがあると思うのですが、基本的には年賀状を受け取った場合、返礼しないのは心苦しいと感じ、自分がまだ元気なうちに年賀状のお付き合いを奇麗にしておきたい、子どもに親の年賀状で世話をかけたくないと思う、律義な人なのでしょう。
最近 多いのは高齢になって、年賀状が書けなくなって子どもさんが代筆するという家庭もあると聞きます。代筆を続けてきたものの、負担になってきたからお断りを書いたという話もききます。
高齢者が多い世の中になったわけですから、このような年賀状を受け取ることは、特別なことでもなくなりました。そして年賀のあいさつなど、新型コロナウイルス感染防止で会えなくても、メールやSNSなどの代替手段をする人が増え、年賀状離れは企業の経費削減による廃止、個人情報保護による名簿の廃止などから、年賀状の発行枚数自体が毎年減っているようです。
年賀状という習慣は、時代とともに姿を変えてきました。新年のお祝いのあいさつは「相手への思いやり」であり、心の負荷にならないよう、出したいという思いが強ければ「お返事は結構です」と添え書きするとか、素直に年賀状は送らないことでしょう。中には、「元気でいるうちは出し続けるよ」と、明言する「はがき」も受け取りました。
人はそれぞれの生き方があり、年賀状を出すのも受け取るのも、生きている「証し」かもしれません。

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