大阪都構想の住民投票が実施され、市民は大阪市の廃止に反対を示しました。この構想は5年前に既に否定されていたはずですが、賛成多数であれば大阪市が廃止になるところでした。
全国に政令指定都市は20カ所の市があり、10年前に「名古屋・愛知も都を目指したい」と、市長と知事の発言があったことを記憶しています。広範な地域をつかさどる都知事の権限を強める事で、きめ細かな行政を望む住民の期待に応えられるのか疑問でした。
例えば、戦前まで日本の首都は東京市でしたが、戦時中の府市合併で東京市はなくなり、以後、首都は東京都とされてきましたが、これは明らかにおかしいのではないでしょうか。東京都は奥多摩や伊豆諸島、小笠原諸島も含むみ、首都と呼ぶには広すぎるのではないかと思うのです。
日本の地図で全国の都道府県庁の所在地を見ると、神奈川県は横浜市、大阪府は大阪市、愛知県は名古屋市、福岡県は福岡市、北海道は札幌市、京都府は京都市で、東京都だけが東京市ではなく新宿区(人口約34万4千人)となっていて、23区は特別区と呼ばれ、行政区ではなく、政令指定都市でもないのです。
政令指定都市にも「区」という区域がありますが、特別区とは異なり、住民の利便性のために設けられた行政区画(行政区)です。
大阪維新の会の主張では、大阪府と市の二重行政の解消と言っていましたが、大阪では、効率を優先し省力化の文化が向いていないのかもしれません。暮らしに「ゆとり」や「遊び」が根付いていて、それは、ある種の「豊かさ」なのかもしれないと、私は思ったのです。
大阪市、大阪府の行政は市民の判断の重さを忘れてはならないと思います。
大阪 あべのハルカス・写真はインターネットから借用

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