10月25日にあった第81回菊花賞は、コントレイルがレースを制し、父ディープインパクトに続き史上3頭目の三冠馬となりました。血統が物を言う競走馬の世界も父子2代の3冠は史上初の快挙でした。
二世は、何かと否定的なニュアンスや皮肉が込められることが多いのですが、今年で7年8カ月にわたり政権を維持してきた安倍内閣、政治家二世の安倍晋三氏は、1強と評された強い政権基盤の下、消費増税については8%に引き上げた後、2度延期したものの、慎重に10%への引き上げを実現しました。
安倍晋三氏を名馬・コントレイルに例えるのは失礼ですが、最後の直線を疾走し、憲法改正こそ成し得なかったのですが、増税という偉業を達成しました。歴代政権の鬼門とされた在任中に2度も消費税率を引き上げたのは安倍首相だけです。
二世と言えば、コントレイルに騎乗した福永祐一騎手も「天才騎手」と呼ばれながら、落馬事故で騎手生命を絶たれた偉大な父、福永洋一さんでした。父も成し遂げられなかった「3冠ジョッキー」の称号を手にしたのです。
さて、安倍内閣の政権方針を受け継いだ二世内閣の菅総理、施政方針演説では2021年9月末までの残り任期1年余りの間に、新型コロナウイルス対策や経済回復、憲法改正などの課題をはじめ政権の総仕上げに取り組む方針を見せています。
それに対して、野党の立憲民主党の枝野幸男代表は、日本学術会議法での首相の任命権を「形式的」とした過去の国会答弁との整合性を問う程度の小さな質問にウンザリです。
親が偉大であればあるほど、何かと比較されてきましたが、このところ二世の活躍が目立ち、流れを引き継ぐことに重きを置くことも期待できそうです。

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