昨夜から今朝に掛けて、久しぶりに雨が降りました。恵みの水を得て玄関先の草花は、輝きを増しました。
植木の間、半日陰のやや 湿ったところに蕺(ドクダミ)が自生していて、ドクダミは地下茎を伸ばして、方々から地上に芽を出して群生し、よく知られているように葉には独特の臭気があります。
ドクダミという名は「毒を止める」という意味を持つとか、あるいは「毒や傷(きず)に効能がある」という意味の「毒 痛み」に由来すると言われています。
ドクダミは、野山や空き地などいたる所で見ることができる、まぎれもない雑草です。わざわざ庭に植えたりする人も少ないでしょうが、わが家では、総包片(そうほう へん)を多く付ける「八重咲きのドクダミ」が植えてあります。
ドクダミは古くから民間治療薬として用いられてきました。高血圧の予防、風邪や便秘の治療には煎じた汁を服用し、傷・おできなどには生のままか、火であぶった葉を患部に貼るとよいと言われています。また風呂に入れれば冷え性に効くなど、十種薬の効能があるので、十薬(じゅう やく)とも言われてきました。
ドクダミの葉の、不快な香りは「デカノイル‐アセトアルデヒド」という物質で、黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、白癬菌などの細菌や、ある種のウイルスの活動を抑える力があると言われます。新型コロナウイルスにも効くと良いのですが・・・。
乾燥すると成分が変化して無臭になり、熱湯に浸せば臭いは消失しますので、塩ゆでして水でさらしてから「てんぷら」、「ミソと ミリンのあえもの」としても食べられます。
薬用・食用も良いのですが効能を思うと、緑の葉の中で雨にぬれたドクダミを見れば、名前と違って白くて清らかで、愛らしい小さな花をつけ、存在感がズーッと増します。
ドクダミの花(八重咲きのドクダミも) 2020.5.26撮影

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