産まれてくる子どもに名前を付ける、それを決める親の責任は重大です。私の場合は、産まれたのが戦時中で、両親は「苦しいときの神頼み」ということから、豊橋の神社の宮司に相談したところ、神様にお願いごとをするのではなくて、神様のお願いごとを宮司が聞いて幾つか名前を挙げて、その中から選んで名付けてくれたのだそうです。
ネーミングの重要性は、ただ漠然と「何か良い名前はないかな」と考えるだけでは、妙案は浮かびません。そこで、望みや目的を正確に見極めることだといいます。
商品のネーミングの場合、発売当初は全く認知されずに売れなかった商品も、名前を新たにしたところ、売上が急速に伸びたという事例もあるようです。近ごろでは、外国語に日本語を組み込むという方法は流行のようですが、成功ばかりではありません。
例えば、私が立ち上げたNPOで「さわやかライフ・あいちの会」の、「サ」や「ラ」から始まる言葉は、軽やかな音を連想させ、女性が好む名前でも実態は男性ばかりを扱う法人だったことから、一定の役割を終えると早々に解散することとなりました。
薬の名前には、最後に「ン」で終わるものが多く、グロンサン、コンドロイチン、バルサルタン、ビタミン、アスピリン、ストレプトマイシンなど、いかにも効き目がありそうな 名前です。
プリウス、カリーナ、コロナ、クラウン、レクサス、ウイッシュなど、トヨタの自動車ですが、シルビヤ、スカイライン、ローレル、ダットサン、フェアレデイZなど、日産自動車で、これらの名前には日本語らしき名前がありません。
車名を聞いても、どの会社が製造した車なのか思い付かないことは多く、ヨーロッパの自動車メーカーは、数字とアルファベットで統一しているのに対し、マツダが社名と数字を組み合わせた自動車の名前を付け始めるようです。
「名は体を表わす」といいます。目的を正確に見極め、名前に負けないように売り上げを伸ばしてほしいものです。

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