名古屋で仕事をするようになって数十年が経過しました。寝ている時間を除けば最も長い時間を名古屋市内で過ごしました。
その名古屋市は今年4月、市長の選挙投票日を迎えます。私は住民ではないので選挙権はありませんが、その行方には大変興味を持っています。
現職の河村市長が押し進めようとしている「名古屋城」は、空襲で焼けてなくなった天守閣を、昭和の建築ブームで建てられた鉄筋コンクリート造りから木造によって復元しようとしています。
建造費が500億円もすることから市民の賛否が問われています。しかし、天守閣が焼かれる前の写真や精度の高い図面が残っているとのことから、ぜひ復元をして欲しいと思います。
国宝 犬山城や彦根城へは何度も行きましたが、この城の中へ入ると、当時の侍が何を思っていたかを想像するだけでも、身震いがします。ところが、現在の名古屋城や岡崎城では、そこまでの臨場感があふれるものはありません。
現在、城内で展示されている刀剣や掛け軸は本物が多いのですが、中にはコピーやレプリカ(複製品)が置かれているとガッカリします。お城その物も同じ感覚ではないでしょうか。
昭和に復元した天守閣は、戦後の復興という意識高揚の役割を十分果たしたと思います。しかし、今後再建されるであろう天守閣については「可能な限り創建時を忠実に復元」する必要があり、歴史を伝えて残す時期が来たような気がします。
天守閣は史跡であり、市民のシンボルでもあり、観光客にとっても魅力ある対象物です。観光資源として活性化につなげれば、夢ある事業として多額の費用も市民の理解が得られるのではないかと思います。
国宝・彦根城 2016.9.24撮影

4