武田信玄は、孫子の文章を十四文字に凝縮して自軍の旗にあしらいました。「疾如風 徐如林 侵掠如火 不動如山」つまり、速きことは風のごとし、静かなることは林のごとく、侵略することは火のごとく、 動かざることは山のごとし、と・・・・・。
2007年後頃までは、まともな金融政策が行われていたのですが、リーマン・ショックで主要国から新興国まで国内景気を刺激するため一斉に金利を引き下げに転じました。
景気が悪いから経済対策として「金利の引き下げ」なのですが、本来の経済の健全性からすると4%や5%の金利を払っても利益が出るのがビジネスと思うのですが、いま企業間の激しい争いでそんな金利を払って生き残る企業はごく一部でしょう。
現在は、マイナス金利でジャブジャブに余ったお金を、いったい金融機関はどんな所へ貸し出しているのでしょう。おそらくここ数年、右肩上がりの価格上昇が続いてきた首都圏のマンション市場、つまり不動産投資ではないでしょうか。
シェアハウス(サコージュなど)が一時流行しましたが、今では空きだらけだそうで、2016年はついに臨界点を迎えそうです。人気があるのは低価格の宿泊施設だそうです。
低価格だからといって貧乏人が利用しているという訳ではなく、有名なホテルチェーンに泊まっても日本の本当の姿は見えず、手軽で簡易な所へ泊まればリアルな日本が見えてくるというのです。
東京の都心部で宿泊施設の開業ラッシュが続いているようで、2020年東京オリンピックを控え、低価格のホテルが圧倒的に不足しているので、これから供給が増えてくるのではないかと・・・・。
不動産投資という観点からも、このような低価格の宿泊所はユニークです。東京駅近くの、ある駅前にオープンした施設は、二段ベッドで1泊4,000円と極めて安く宿泊でき、学生や外国人の旅行者で既に人気を集めているそうです。
ところが、残念ですが誰でもできそうな「規制緩和の民泊法案」は、今国会への法案提出が見送られ、来年以降に先送りされました。
民泊法が遅れれば遅れるほど、ホテルの不足は深刻化し、東京オリンピックだけではなく、日本を訪問する観光客の人気が下がると思うのです。
速きことは風のごとく、・・・・動かざること山の如し、・・・・。きょう9月23日は「不動産の日」です。

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