ご近所では、自分が食べる野菜を作っている人が多く、もともと兼業農家であったため、定年退職した人が本格的に野菜作りを始めた人もいて、世代交代ということでしょうか。
市街地から離れた、いわゆる中山間地に住んでいる私は、周囲の環境から野菜の成長具合を目で見ていますが、私たちが食べている野菜の一つ一つに、どれほど手間がかかっているのか、消費者は知るべきではないでしょうか。
祖先は、生きていくために食べ物とエネルギーを自給自足で暮らしていました。日本が食品輸入大国となったのは、戦後日本がアメリカの余剰生産物の消費国に位置づけられたことに由来し,アメリカ産「小麦」の輸入から始まったと言われています。現在の日本の食料品自給率(カロリーベース)は、わずか39%です。
家庭菜園は、自給率に反映されませんが、現在100%をこえているのは、北海道、秋田県、山形県、青森県、岩手県、新潟県の6道県のみとのことです。
農業の就業人口は昨年で約210万人、5年前に比べて約2割の減少で、就業者の平均年齢は65・8歳と、今後、加速度的に減少するのは明らかで、国内産の農作物はますます減少の傾向となるでしょう。
最近、山間地などへ畑を借りて野菜作りを楽しんだり、農作業の手伝いに出掛けたりする都会の人もいるといいます。時間と交通費をかけてでも参加する、ぜいたくなレジャーの一つと言われ、ヨーロッパ、特にイギリス、ドイツやフランスでは、豊かなライフワークとして家庭菜園は一般的だといいます。
また、最近はガーデニングで野菜を育てる人が増えているともいい、この名古屋周辺でも家庭菜園は難しいことではありません。庭に畑を作るもよし、畑を借りるのもよし、プランターで作るのもよいと思います。
昨年は私も60坪ほどの畑に、耕さないで草は刈り取るだけ、肥料を与えないで、農薬をまったく使わずに大根を育てて、秋から冬にかけて収穫し「おでん」や「大根おろし」の材料にしました。とてもおいしく、体にも良さそうではと思っています。
野菜を育てて農業を体験し、この産業を理解してみてはいかがでしょうか。

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