先日、上映中の「追憶の森」を見てきました。自殺を決意した男の生き返り方を描く筋書きで、謎に満ちた「生きようとする男(渡辺謙)」との出会いが、不思議な時間を描いていきます。
長年一緒に暮らしてきた夫婦が、互いに理解できないまま妻(ナオミ・エレン・ワッツ)の死を迎え、絶望した男(マシュー・マコノヒー)が選んだのが、自殺の名所「日本の青木ヶ原樹海」でした。
富士の樹海を神秘的に捉えた映像は美しく、妻を亡くした男の魂が樹海に癒やされている様は丁寧に映し出されていました。
世の中、失ってから気がつくことが多いものです。肉親であればなおのこと、二度と取り戻すことなどできませんが、それでも生きようとする周囲の人々の影響によって、死を決意してからも自分を取り戻し、人のために役立とうとするのが人間です。
そんなことを、気付かせる映画ではなかったかと・・・・・。
ストーリーは、ありきたりですが主演3人は大人の魅力でいっぱいです。特に過酷な自然環境にさらされ、運命共同体となった男2人の樹海から抜け出そうとするシーンは見事でした。
9日夜、東京・品川区の駅で電車にはねられて中学生2人が自殺をしたとのニュースが流れました。
動機を読み解くための情報分析は必要でしょうが、いかなる理由があろうとも生きるために何かできること、することがあるはずです。死を選ばせてならないのは周囲の役割・責任です。映画から学びました。

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