きょうは、町内の農家や田んぼの所有者が集まって、井堰の清掃作業を行って来ました。・・・「井堰とは・・・・せき止めた用水を田んぼへ引き入れる水路・側溝・溝や水量を調節するために、せき止めた場所(堰)をいいます」
水田にとって水は稲を成長させるために欠くことができません。河川の水量が豊富で水位が常に田より高ければ、単なる水の入り口を設けるだけで容易に取水できます。
しかし、町内にある谷筋の水田では、背後の山林からの湧水・雨水を適度な水位を保つ、ため池を設けることで、必要とする時に水をいつでも利用することを可能にした先人の画期的な着想から生まれたものです。
「溜池とは、・・・・農業用水が不足する地域の産物であり、春先から貯水量の不足している時には、水量に見合う割合だけ作付をする時代もありました」
この季節になると、毎年この井堰の清掃作業が行われ、各田んぼへ至る溝が奇麗に清掃されて田植えを待ちます。今年は5月21日(土曜日)に溜池の樋門を開ける「ゆる抜き(放流)」が行われ、この日は集団で厳粛に守られ、一斉に田植えが始まります。
水田の稲作に使用された水は、稲の吸収と夏の間の蒸発で消費されるほかは、大部分が地下水や排水路へ流されて、再び下流域で農業に利用される場合と都市の用水で利用される場合があります。
溜池や井堰の施設を通じた水の配分や日常管理は人々の間にルールを生み、水で結ばれた社会が形づくられ、稲作と農業用水は、水の利用を通じて地域社会に大きく関わり、日本の伝統文化や習慣が作られてきたものと思います。

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