きょうは憲法記念日、日本国憲法ができてから今年で70年となり、一定の節目を迎えました。
70年間に公布されてから、一度も現行憲法は改正されていません。改正手続きが明記されていて、必要に応じて議論し、賛成が多ければ改正ができます。では、なぜ今まで改正が行われなかったのでしょうか。
終戦直後、マッカーサー元帥の率いるGHQの強い影響下で文書が作られ、帝国議会で審議されて決まり、なかでも自衛権を保持するように当時の衆院で直されたようです。
その後、時代の変化やアメリカとの関係で、軍隊を持つことができない日本国憲法では、実質的には自衛権を保つために必要に迫られ、軍隊と同様な組織を作り「自衛隊」と呼び、「軍隊ではない」と憲法解釈して現在に至っています。
戦後から現在に至るまで、憲法改正は必ずしも優先課題ではなく、経済の発展や国民の暮らしを優先させるべく、社会保障など多くの課題を解決しなければなりませんでした。
ところが、11月に行われるアメリカ大統領の選挙で、「偉大なアメリカを取り戻す」と主張する共和党のトランプ氏が大統領になったら、日本にとって貿易や自衛権を保つために経済的に大きな負担が出てくるのではないかと危惧されます。
日米安全保障条約があり、実質的にアメリカの傘の下にあって自衛権を保つことができているのが実態で、憲法ができてから70年という長い間に、トランプ氏ら不平等を主張するアメリカ国内の世論も出てきました。
70年間に、私たちの暮らしは大きく変化しました。実情からかけ離れた現憲法では、「
戦争をしない」「
平和を維持する」にしても、改正を行わなければ無理があるのではないでしょうか。
衆参両院の定数問題も「違憲状態にある」という最高裁の判決が出る始末、この状況下を直すためには、早期に改正も視野に入れて議論する必要があると思うのです。
奥殿陣屋にて 2016.5.1撮影

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