世の中には自己責任とは言い切れない問題がよくあり、人に迷惑を掛けることに対する扱いに大きな開きがあるように思います。
どうやら日本人は「自力で生活ができない人を政府や企業が助けてあげる必要はない」と考える人の比率が世界でもっとも多く存在する国だそうです。(アメリカは2位)
生活保護受給者へのバッシングやギャンブルや薬物などの依存症の人たちが増えている現状をみるとき、他の国と比べ、経済的弱者や競争社会からの脱落者に対し、異常に冷たく感じるこのごろです。特にマスコミの取り扱いは・・・・・。
人事制度でも、終身雇用色の強い企業ほど、社風は自己責任論が強いようで、病気、ケガ、妊娠などで休み、仕事が停滞するのは自己責任であるという考え方です。
山や海、スキー・スノボーのバックカントリーで滑って遭難した人たちに、自分で行動を選択したのだから「救出費用は自己責任で支払え」という話は良く聞きます。IS(イスラム過激化組織)に拉致された場合も自己責任論が話題になりました。
事故責任=自己責任にしないために、シートベルトの着用を規則で定め、普通、この程度のことは、「自己責任」だと思いますが、事故を起こしたら家族や他人(相手や保険会社など)に迷惑をかけることになり、自己責任を選択できないとしたものです。
11人が死傷した大阪・梅田の繁華街で起きた事故は、運転者が急性心疾患で意識を失い、車を制御できず暴走し運転者は死亡、今後はどの様に対処するか・・・・。
アイシン精機(刈谷市)が、車を安全な路肩に停止させる自動運転装置を開発中とか・・・(情報:中日新聞29日朝刊)。やがて自動制御の車に乗ることが義務(規則)となり、自己責任でなくなるのかも・・・・・。
世の中、結果を受け入れるので自由に何でも好きなことができるという自己責任の考え方と、結果を全て引き受けることなど不可能なのだから、規則で制限して自己責任としない考え方があります。規制が増えれば行政責任?無責任が増えそう・・・・。
いかなる人も、多かれ少なかれ他人に迷惑をかけながら生きています。自己責任・自業自得と言われる行為の境目は難しいです。責任、責任、と言われる社会は、しんどい社会です。

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