2011年3月、地元内科医K先生から私に、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を勧められ、除菌薬を1週間飲み続け除去に成功しました。
ピロリ菌は親から子へ移り、衛生状態の悪い環境では高い感染率を示すそうで、中でも戦中、戦後に生まれた人に多く、胃の粘膜へ潜り込んで永く住み着いているのだそうです。
25年前に発見されたアルプスの氷河で見つかった、約5300年前の男性「アイスマン」が慢性胃炎や胃潰瘍などの原因となるピロリ菌に感染していたと、イタリアの国際研究チームが今年1月8日付の米科学誌サイエンスに発表したそうです。
40才代半ばだったこともわかって、当時ならかなり年配のようです。貴重な銅刃のオノを持っていたことから判断すると、社会的な地位はかなり高い人物だったようです。
アイスマンの研究は飛躍的に進んでいるようで、矢で射られ殺されたことや、胃の組織からピロリ菌のDNAが確認されたことなど、人の細胞内にある遺伝情報は究極の個人情報ですが、今回は科学誌によって公開されたようです。
オーストリアのチロル地方に住む3700人から採取したDNAを分析したところ、その子孫にあたる人がこの地方になんと10数名の男性が暮らしていることが分かったとか・・・・。
日本では、今年からマイナンバー制度が発足し、病歴や細胞内にある遺伝情報などは、究極の個人情報として「改正個人情報保護法」の規制対象になる方針が、昨年末に決まったようです。
日本の個人情報保護法は、死者に対しては適用されませんが、相続など生存する人に関わる個人情報は適用になります。
「アイスマン」は、研究材料として本人の同意はもちろんなく、約5300年前を知る上で貴重な研究材料として、「彼」が知らぬ間に次々と「個人情報」は広がっていくでしょうし、「アイスマン」や子孫に対して・・・・・、“相済まん”ことです。

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