この2・3日は、3月を思わせるような暖かい日が続きます。暖かい日があれば気分が高揚しますし、季節が足踏みすれば、春はまだかと待ち望みます。
季節の移ろいの中で、農家は作業の段取りを決め、商売する人も春を当て込んで商品を準備します。そんな暮らしを通じて私たちの感受性が育まれます。
四季の情緒を感じ取る力が、日本人が持つ財産であり、誇れることではないでしょうか。テレビでみる限り乾燥した砂漠の国では連日のように砲煙が上がり、人命が失われ、そのたびに情緒の大切さを思うのです。
今年は終戦から70年に当たり、この間、日本は戦闘で1弾も発射せず、1人の戦死者も出していません。海外に対する政治・軍事的野心を一切持たず、抑制が効いた対外政策を保ち続けた「平和主義」は、素晴らしい経済発展をもたらしました。
一方、「現代日本は平和という椅子に座り続け、平和ボケの国になってしまっているようだ」と、心配する人もいるようです。
「最近の領土問題、不審船事件、拉致問題、ミサイル問題を解決するためには日本の防衛力を強化させ、国民の平和ボケを目覚めさせることが重要だ」という人も現われはじめたようです。
戦争を知らない世代ばかりになりつつあり、「平和を批判するのであれば、戦争とは何?」と、問わざるを得ません。
防衛大学校第一期学生に対する訓示で、吉田茂首相(当時)が、
『・・・自衛隊が国民から歓迎されチヤホヤされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡のときとか、災害派遣のときとか、国民が困窮し国家が混乱に直面しているときだけなのだ。言葉を換えれば、君たちが日陰者であるときのほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい・・』 と・・・・・・。
私は、現憲法が実態にそぐわなくなり、改正が必要だと思っています。しかし、防衛が強化されるということは、政治・外交の不足、怠慢だとも思っているのです。

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