サッカーワールドカップ(W杯)ブラジル大会の日本対コートジボワール戦後に、日本のサポーターが観客席のごみ拾いをしたことがネットや地元紙で話題になり、「敗北したが、日本の応援団はブラジル人の心をつかんだ」と、報道されたことを覚えていると思います。
多くの外国人が持つ日本人の印象の一つは、身なりや街の清潔さだと云います。江戸時代後期に訪日し、日米修好通商条約を締結したことで知られる米国初代総領事ハリスも、日本は貧しい農漁村でも「あらゆる国で貧乏につきものの不潔さが見られない」という感想を残したと云います。
彼らが感心したのは街並や道の清潔さだけではなく、整然と耕された田畑が広がる農村風景にも感心したと云います。狭い土地を丁寧に耕作し、農業の生産性を上げ、独自の景観をつくり上げ、美しい国を維持していることも・・・・・。
今年上半期に日本を訪れた外国人旅行者数が、過去最高となって、この調子であれば、昨年実績1千万人を超えそうだと云います。外国人旅行者の行動パターンが、名所旧跡ばかりでなく、日本人の暮らしに触れる機会に変わってきたといいます。
しかし、地方の過疎化は確実に進みつつあり、税収不足から公共施設の維持管理ができなくなる心配があります。私が住む町内でも、山林に近い田畑は耕作放棄が増え、休耕が半ば強制的に実施され、景観が変わりつつあります。
耕作地ばかりではなく、高齢化が進み若者は都会で暮らし、空き家が増えたのです。国は東京オリンピックまでに観光客2千万人に増やす目標を立てましたが、美しいと云われる農漁村風景を荒廃させずに観光資源として維持できるかどうか・・・・・・。

4