雨降る中で、福島市のとうほう・みんなのスタジアム(あづま陸上競技場)で第97回日本陸上競技選手権大会は8日まで3日間開催され、100メートル10秒0台を記録した桐生祥秀選手に、夢の9秒台を達成することはできるのだろうかと注目が集まりました。
結果は、雨天ということもあって、100メートルの記録は追い風0・6メートル、10秒22で初優勝でした。
爽やかに走りきる100メートル走、正々堂々、スポーツを表す言葉は数多くありますが、勝敗にこだわる競技の場合、これほど残酷な世界があるのを経験するのと、しないのでは格段の差を感じます。
幾ら紙一重の差でも、競技スポーツの世界は勝者・敗者が生まれます。0秒01差、1点差でも、負けは負けであり、勝ちは勝ちなのです。世のなか絶対評価の成績表が存在する昨今、能力の差、自らの力を明確に教えてくれる機会はスポーツ以外にどれだけ存在するのでしょうか・・・・。
勝者はほんの一握りで、ぎりぎりの緊張感の中で自らを信じ、勝ちを求めてもがき、その結果、敗者の方が数多く、その経験は今後の人生で決してマイナスにはならないと私は思います。
負けた場合、しばらく気持ちの整理がつかないかもしれませんが、敗者の経験がない人は、自分の実力を知ることができません。負けのすべてを受け止め、自分を如何にコントロールするか、また前を向いて気持ちを立て直すことができるか、ながい人生の中で大いに意義があることだと思うのです。
負けた経験が勝つ喜びを倍加させ、凛々と、自分に対し誇りを持つようになり、相手の気持ちを理解し、相手を賛美しようとするのではないでしょうか。

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