今日の昼食は、久しぶりに「梅干しの入り三角形のおむすび」を持参しました。おむすびに梅干しを入れれば抗菌作用で食中毒の予防も期待でき、酸味の主成分、クエン酸は疲労回復に役立ち、頼りになる健康食品です。食欲増進にもなると考えたからです。
梅には「神様」がいるといわれ、堅い種子を割ると出てくる核を「仁」とよび、梅をこよなく愛し、梅を詠んだ短歌で知られる学問の神様、菅原道真公にちなみ「天ジン様」とも呼ばれています。
梅の実が十分育たないうち、つまり熟していない梅を食べれば、胃中の酸で加水分解され猛毒となり青酸中毒を起こします。熟せば果肉の毒性はなくなり、漬けることで毒性はほぼ消失し、仁にはある程度毒が残るそうですが、食べても人体にはほとんど影響がないといわれます。
「生の青梅を食べてはいけない」「天神様がいるので種を食べてはいけない」と、先人は安全な食べ物となるよう、梅干しや梅酒などに漬けることで経験的に安全を身につけ、戒め、健康食品として伝えてきたのです。
梅干しは長期保存が効くため、戦場で傷の消毒や食中毒の防止、携行食品とし、故郷を偲ぶ味としても、兵隊さんから愛されたと云われます。戦後、私の中学時代の弁当は、アルマイトの弁当箱に、梅干しがご飯の中心に鎮座する「日の丸弁当」が定番でした。
我が家では梅干しを普通に作りますが、最近ではスーパーマーケットやコンビニなどで売られている梅干しは、減塩調味を施した「調味梅干」が主流となっているようです。
減塩梅干や調味梅干は、白干しの梅を水につけ、塩分を減少させ、赤紫蘇(あかしそ)、昆布、鰹節などで味付けをしたもので、賞味期間が半年程度で、短く設定されている場合が多いのです。
塩漬けした梅を、夏の盛りを迎える頃には土用干しにします。手間暇かけてこそ、健康食品としての梅干しができあがり、一家の健康を守る「神様」が食卓に現れるのです。
はままつフラワーパークにて:

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