一般市民が刑事裁判に参加する「裁判員制度」が始まって、やがて3年半が来ようとしています。今まで候補者として約31万人、呼び出された人が約23万人、裁判員として出頭した人が約11万人と云います。
今まで裁判はプロがやるもの、プロだから安心して任せ、普段の生活が成り立っていると思っていました。殺人現場や死体、血、凶器の証拠品など見たくもありません、強盗、殺人、強姦、窃盗、あらゆる犯罪の話に触れることなど、考えるだけでもプロに任せたくなります。
「裁判員を辞退したい」と思う人の気持ちが普通であると思うのです。戦後食べ物がない時代に、父が鶏や山羊、ウサギ、魚等を、生きたまま捌き方を教えてくれ仕方なく覚えましたが、現在そんなことをする家庭はありません。条例に則ってプロが責任を持って行い、肉はスーパーでパック販売しています。
最高裁が今年1月から2月に実施した「裁判員制度の運用に関する意識調査」で、国民の約83%が『裁判員をやりたくない』と考えているとの結果が出ていました。
10月8日、裁判員が判断に加わった、千葉大4年の荻野友花里さんを殺害して強盗殺人の罪に問われた堅山辰美被告を、東京高裁は死刑判決を無期懲役に変えました。遺族は司法への不信を露わにし、知人や当時の捜査関係者からも疑問の声が漏れたと云います。
裁判員裁判とは、国民の司法意識を素直に表すものではなかったのでしょうか。悪が栄えて、正直者がバカを見ることなどあってはならない為にこの制度があるのでは・・・・。残虐であろうがなかろうが、被害者に落ち度があろうがなかろうが、殺人は1人で計画性が無かったので無期?
伝わるところ、この裁判員裁判制度に一番反対したのは現役の裁判官だったそうです。殺人が1人なら無期、何人なら死刑と相場が決まっていて、「所詮、素人の判断などこの程度だ」と云わんばかりの結論だったのではないでしょうか。 裁判員に選ばれるのを辞退したいと云う人が多く、これでは、この制度長続きなどするはずがないなと思ったしだいです。
今回、裁判員に選ばれた人は、どれほど悩んだ結論であったことか、プロである高裁の裁判官は、理解し判決を下したのでしょうか。

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