台風27号が過ぎ去り、庭にある「ハナミズキ」の葉も少し赤色が付き始め、本格的な秋の兆しが見えてきました。
秋は「新米」が採れる季節であり、和食は何と云っても「お米」が基本で、栄養バランスに優れた食材を利用することで調理法も、生のもの、干しもの、あえもの、焼く、煮る、発酵、蒸す、揚げると幅広く、自然の美しさや季節感を包丁などの道具を用いて器の中に表現し、使う器や調度品も多彩です。
和食の特色は、素材の旬にこだわり、地域の風土・気候に根ざし、材料を最後まで使い切って無駄にすることはありません。最近では、国際的に注目を浴び、外国でも昆布や椎茸、鰹節などの「だし」を採って料理に用いたりすることがあると云われています。
日本政府は、昨年3月「和食;日本人の伝統的な食文化」として世界無形文化遺産として申請、今年12月に登録される予定だそうです。この際、和食を海外に広めることによって食材の輸出拡大ができるかもしれません。
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスだと思います。なかでも「だし」から摂る「うま味」を上手に使うことによって、塩分や油分を少なくする食生活が、肥満を防ぎ長寿を実現していると思うのです。
また、食事は食材の調理や調度品で季節感を表現するとともに、年間の行事と深く関わって育ってきました。お正月には「おせち料理」、冬は「鍋料理」、春には「お花見弁当」などのように・・・・。また、料理も前菜から始まってデザートまで行事と季節感とを組み合わせた酒席での会席料理や、日本茶を美味しくいただく為の懐石料理などもあります。
私たちは、中華料理や欧米の料理など、手軽に食べられる時代となりました。一方、和食となれば手間暇がかかり、親しむ機会が少なくなったのではないでしょうか。
日本のコメ、だしを採った汁、香の物、刺身、焼き物、酢の物、蒸し物など家庭で見直して、作って食べる回数を増やそうではありませんか、長生きのために・・・・・。
徳川美術館駐車場にて:10月27日撮影

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