憲法記念日のきょう、新聞各紙の社説が一斉に憲法改正について賛成・反対を論じています。そこで、私なりの考え方を書いてみました。
安倍晋三首相は、夏の参院選で憲法改正に必要な「3分の2」の勢力確保を目指す考えと、96条改正を掲げる方針も表明しています。
しかし、昨年末衆院選のように、自民党が約4割の得票率で約8割の議席を占めた選挙の方法(現在の小選挙区制では大量の死票が出る)を用いて、過半数の賛成で改憲の発議ができるとなれば、民意とかけ離れた形で進む可能性があり、如何なものかと思うのです。
改憲手続きを定めた国民投票法も最低投票率の定めがない状態ですし、国民レベルの議論が熟さないうちに、政治家だけが突っ走る可能性を私たちは知っていなければならないと思うのです。
新聞各紙の社説が述べている様に、諸外国では高いハードルを乗り越えて改正してきています。つまり、それなりの議論を尽くし、相当なエネルギーを費やしているようです。発議要件のハードルを下げれば熟した議論がなされないかもしれません。
私は、憲法改正が必要だと思っています。大きな犠牲を生んだ過去の戦争の反省から生まれた現憲法は、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という三つの原理に支えられて戦後の「日本のかたち」は作られてきました。
憲法は国家の権力乱用を抑制し、国民の権利・自由を守るためにあります。しかし、時代と共に情報化が進み、産業構造も変化して、暮らし向きや、権利・自由な守るべき形も変わってきました。
例えば、国会の仕組みの中で衆議院と参議院の役割分担と権限ですが、今の様な「ネジレ」で、国会が停滞するような事の無い様に、憲法で定める必要があるのではと思います。
いま、現憲法で変えてはならないものは何か、変える必要があるとすれば、それは何か。結論を急がないで議論を尽くせば、憲法改正に必要な「3分の2」は得られると思うのです。

1