お笑い芸人の母親の生活保護受給問題が浮上した後、大阪府東大阪市の職員約30人が2親等以内の家族が生活保護を受給しているとか、同市によれば職員の平均年収は715万5千円(平均42.8歳)だそうで、金銭的には扶養できるのではとの声もあるようですが、「それぞれ事情がある」と、擁護する関係者も少なくないようです。
大家族で暮らしていた戦前と異なり、核家族化して経済面で自立して生きていく社会構造が出来上がった今、「30歳を過ぎた子供の面倒は見ない」と云う公務員の両親も居ることでしょう。だからと云って就職難で生活苦の子供へ仕送りをしない親も如何なものかと思います。
「育ててくれた親の面倒をみる」「家族は自分の手で守る」という、日本人なら誰でも持っていると思われる「愛の心」が遠のいたのでしょうか。たしかに受給者の周囲も厳しい生活を送っている場合が多いと思いますが、一定の収入を保障されている公務員の場合、仕送りも考えた方が良いと思います。
就職難で、やっと就職できたとしても年収200万円前後、夫婦共稼ぎしても年間300万円程度です。先日も書きましたが、医療費はタダ、税金は無税、その他扶助があり、支給される金額を加えると金額換算年平均、約650万円が支払われている計算の「生活保護費」と比べ、家族と疎遠して生活保護費を受給できる方が楽で得ではないかと考えます。
東大阪市は不正受給防止や自立支援などに取り組んでいるそうです。いったい、どこに問題があるのでしょうか。社会の風潮で、企業は家族に直接働いてもらっていないとして、「家族手当」なる給与手当を支給しない企業が増えた事や、何時の間にか親は年金暮らしで、親の介護は介護保険でと、家族は夫婦と30歳未満の独身子供までと云う様に相場がなってしまったようです。
もう一度、思いやりを持って幸せに暮らす「愛の心」をと求める方が無理なのでしょうか。日本人の美徳は、いったい何処へ行ってしまったのでしょうか。

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