今年も暑い夏が近づいてきました。昨年同様、節電(セツデン)と云う言葉があちこちで流れそうです。
昨夜は日本中の原子力発電所が全て発電を止めたとのことでした。日本で50基の原発が全て停止することは、福島の事故が示す影響が如何に大きかったと云うことでしょう。一瞬停止することについて政府は織り込み済みの様で、再稼働に向け何らかの方策を示すことでしょう。
一方、「地震が多くて狭い日本に50基もの原発がひしめいているのは安全ではない。電力不足を補う企業努力を殆どせず、電力不足による原発再稼働に持ち込もうとしている。電気は足りているじゃないか」という声もあるようです。
どうやら、不足率15%とする関西電力も電力不足を補う企業努力をすれば、今夏の電力は足りる可能性は高いといいます。では何故?原発再稼働したいのか。それは、「原発なしだと資産が半減し、総括原価方式により、利益も半減してしまい、今後数年で債務超過となり、経営破綻してしまう。」と云うことらしいのです。
資産価値は、業務上の重要な情報資産であり、情報に問題が生じた場合に影響度などで評価されます。原発の場合、原発を永久に止めてしまう事になれば、核燃料や設備の資産価値は全く無くなってしまうに等しいからです。
つまり、電力会社も夏の電力不足と原子力発電再稼働とは切り離して考えているようで、電力不足だから原発を再稼働するのではなく、関電の経営破綻を避けるために原発を再稼働したいと云う事と、経営努力して原発なしで今夏を乗り切ってしまうと、自分で自分の首を絞めることになってしまうと云う事の様です。
原発を止めると困る人、得する人の顔が浮かんできました。困る人は原発村に住む人々と電力会社やそこで働く従業員、そして放射能。得する人は原油を生産する国や輸入する会社、火力発電とそこで働く人々など、そしてCO2の増大。
核燃料の再処理を行えば資産価値15兆円とも言われた時がありましたが、夢に消えそうです。

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