厚生労働省が公表している『所得再分配調査』という統計から、現在の日本においては、若い世代から高齢世代への年金を通じた大規模な所得再分配の存在があるといいます。国債という課税の繰り延べを行うことによって将来世代の財布から有無を言わさず巻き上げているというものです。
社会保障・税一体改革大綱にある消費増税の使途は、子育てに薄く、医療介護年金等に厚いという、高齢者向けの支出が多い高齢者を優遇する使徒に使われるようです。
消費税増税の負担に関しても人生の先行きが長い若い世代ほど多く負担することになるため、社会保障制度の崩壊しつつある現実を覆い隠すための論点のすり替えに過ぎないと云う説もあります。
それに対して、「今の高齢者は戦後の貧しい時代に一生懸命働いてきた。若い世代は、その財産を相続するのだから、所得の少ない高齢者を助けるのは当然だ」という反論があります。しかし、約1,400兆円の個人金融資産のうち、1,000兆円余りを60歳以上が保有し、貯蓄は消費に向わないから年々増えています。所得再配分の被害者である若者の消費も減退しており、これが現在の不況の構造的な要因ではないでしょうか。
私たちの住む日本は世界的にも稀な超低金利時代が続いています。金融資産の半分以上が預貯金になって、国債が買われていると云う異常な資産構成です。リスク回避的な高齢者がその大半を持っているのですが、預金しか知らない私たちの世代にとっては悲劇の時代でしょう。私たちは今、この時代に「損」をするのが仕事かもしれません。一方、「金利の低い国から金利の高い国の通貨を持つと、金利差分が貰える」と、充分稼いでいる知恵のある高齢者もいるようです。
消費税増税に反発すると支持率が下がるので、所得税の累進課税を強化するという政治家がいますが、これは間違いで私は反対です。所得税は労働所得に課税され、年金生活者はほとんど負担しなくて済んでしまいます。消費税の増税は、世代間の不公平を是正するために必要な税と考えていますので、納められた税の配分が問題だと思います。
また高齢者は、年金制度の改革を素直に受けとめ、退職一時金への非課税制度等をやめ、負担と給付が世代によらず均等化する社会保障制度をつくることにあります。消費税の引き上げをするならば、そのスタートではないかと思いますが如何でしょうか・・・・・。
岐阜県可児市・花フェスタ記念公園

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