4月1日付で発表された人事異動と昇格・昇進情報は、発表前の取り扱い(内示)に慎重だった人事部時代を思い出します。公式発表前に情報が洩れると厄介になることがあり、発表後は逆に、全てに行き渡るよう努めなければなりませんでした。
京都府亀岡市で集団登校中に児童ら10人が軽乗用車にはねられた事故で、逮捕された運転手の親が「被害者に謝罪したい、連絡先を教えて欲しい」と警察や学校から住所・氏名・電話番号を聞いて遺族に連絡したことで、遺族から抗議を受け警察が謝罪するという異例の事態となったようです。
遺族は悲しみに耐え葬儀を出そうとする矢先、加害側から一方的に謝罪すると云われても戸惑うに違いない事ぐらい配慮すべきだったと思います。時間が経てば関係者に何時かは知らせなければならない情報なのでしょうが、情報はタイミングが重要で、目的と相手の気持ちを充分配慮し伝えねばならないでしょう。
政治家も記者から「何々情報を知っているか」と尋ねられ「テレビや新聞で知った」と回答する場面があります。一般的には組織内で情報が流れていても初めて知ったような顔をする議員も居ると思います。殆どの場合は知っていても何らかの都合で次のタイミングを計っている場合が多いのではないでしょうか。
情報によって影響が大きい場合、タイミングが大切だからでしょう。情報化社会の中で暮らす私たちの課題は、公開可能な情報の選別、情報管理技術の確立、プライバシーの保護と安全性の保障、犯罪防止などが挙げられます。また、著作物を公開する場合は、著作権の問題を解決しなければなりませんし、改ざんされる心配のない情報管理技術も必要となります。
情報をインターネット上で公開すれば、社会の知的レベル向上になるかもしれませんが、その人の知的所有権を侵害してしまう恐れもあります。個人のプライバシーに関することなど簡単にデータベース化できてしまいますから、個人情報等の住民基本台帳や納税者番号などは、便利になるかもしれませんが、もし漏れて商売に利用されるようなことがあれば大きな社会問題となります。
一般的に情報は新鮮度が高いほど価値や影響度が大きく、永く保存された情報など古い情報は影響が小さいと考えられていて、タイミングを計って公開しているようです。

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