AIJ投資顧問の年金資産消失問題は、公的な厚生年金に加入するサラリーマンに被害が及ぶ懸念がでてきました。放置すれば穴埋めに厚生年金の積立金から補填するとか、税金の投入といった救済を求められかねないのです。
調子が良い時代は大きな運用益を出しておいて、利回りが下がると運用が追いつかず、支給に必要な額より積立金が下回る事態になったら助けを求めるという無責任感覚で経営してきているわけですから、粉飾せざるを得ないと考えたのでしょう。
運用能力に不安を抱える中小企業だからこそ、AIJに運用を任せたのです。これではまるで背広を着た窃盗団に出くわしたようなものです。
厚生年金基金の運用者が殆んど素人(プロになるには10年以上の経験が居るのではないか)ばかりで行われてきたことも問題だし、基金に役所OBを送り出した元職場の責任も重いものがあると思います。
安定的な収益が得られると偽って勧誘し、運用委託契約を結ばせた、まるで詐欺まがいの極めて悪質な行為で、放置してきた厚生労働省への厳しい責任追及を求めたいと思います。
厚生年金基金の財務改善を行うには、基金の運用担当者の専門性を高めるか、雇い入れる必要があると思います。素人集団では金融市場で立ち行かないことぐらいは素人の私でも理解できます。
先ずは加入者の保険料を上げ、年金や既に受け取っている人の年金を減らすなど、早急に措置を講ずべきでしょう。資産運用は自己責任が原則です。損失を被った時だけ救済を受けるという考えは間違っています。
お願いですから国は、公的な厚生年金に加入するサラリーマンに被害が及ばないような対策を講じてほしいものです。

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