今年から来年の10月31日までに収穫したコメを新米と呼び、不慣れな新人は、色に染まってなく、真っ白で新米という説と、江戸時代、新奉公人は新しい前掛けをしていて、新前掛けから「新前」がなまって「シンマイ」となったという説があるようです。したがって、新しく入社した人を「新米」と呼んだ時期がありました。
取れたての米は、ご飯にする水分量に慣れていなく、扱いが難しいことから来ているのではないでしょうか。一方、「新米」は、初めから期待してはいけない、慣れるまで仕方なく、使い手は色々工夫しろという意味があるかもしれません。
今年の新米は、JA全農が卸売業者に販売する相対取引価格が、茨城県産や富山県産コシヒカリが前年同期比17%〜20%高いということです。東日本震災後品薄感や先高感もあって、小売業者への影響も出るのではないかということです。
土壌の放射能セシウム濃度が比較的高い地域で生産される米は予備検査で200べクレルを越えた場合は、重点調査が行われるようです。しかし、コメの放射性物質検査でも規制値を超えたところは無いと言います。
コメを炊いて美味しい御飯にするのに、コメの品種が気になりますが、それ以前に炊き方、水加減は重要な要素です。そこで、私の経験を述べてみたいと思います。
炊き方は「初めチョロチョロ、中パッパ、赤児が泣いても蓋取るな」と、昔の人は言ったものです。私の住む地方では、葬儀や法要が行われた昭和30年代の頃、ご近所が寄って食事を接待する習慣があって、大なハソリ(ナベ)で御飯を炊いていました。長老から炊き方の手ほどきを受けるのですが、意外な炊き方に戸惑ったものです。
コメを水で洗い30分程浸し、水切り後熱湯の中へいきなり投入し、よくかき混ぜ、5分ほど強火にし、火を引き蒸らします。30ほど蒸らすと出来上がり、冷めても美味しい御飯が出来るのです。熱湯に直接投入するのに驚いたのですが、これがコツのようです。
新米の場合は水が多過ぎ、5%から8%程水を少な目にする必要があります。しかし、このような驚きの炊き方をすれば、古米も新米に劣らぬ美味しい御飯が炊きあがるのが不思議でした。
水加減は、水切り後のコメの量と同量を用意します。この時、沸騰して失われる量を調節する加減が、腕の良し悪しのようです。
人もコメも新しいことは、取扱に気を配る必要があり、出来具合は扱う人次第、この冬までに新米に慣れ、来春の新米(新人)を占ってみてはどうでしょうか。

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