「神宮」と言えば、明治神宮を思い浮かべる人が多いと思いますが、今回は名古屋市内にある熱田神宮前での風景をご紹介しようと思います。
朝8時、この時間帯の殆ど駅周辺は専門学校生や高校生が多く、さらに早い時間帯は南区方面へ通う工場労働者です。ラッシュが過ぎると常滑線に乗り継いで中部空港へ向かう海外旅行者が大きなバッグを引いて名鉄神宮駅が賑わいます。
私はホームを上って改札を出ると正面のロッテリアでコーヒーを飲みながら新聞を読み、出勤前の時間調整をして職場へ向かいます。店内は朝食する人、本を読む人、携帯で何やら見る人、喫煙室で美味そうにタバコを吸う人、様々な時間の過ごし方を垣間見ます。
駅から数分で熱田神宮に着きますが、正月と違って神宮の森は参拝客もまばらで、参道の木々は緑が一層濃くなって、梅雨時期の蒸し暑さは同じですが、日陰に入ると街中に居ることを、しばし忘れさせる癒しの空間に触れることができます。
神宮から歩いて10分ほどで名古屋市の施設に向かうのですが、途中には歴史を感じる老舗が幾つかあります。その中には名物「きよめ餅」や、うなぎの「蓬莱軒」「大和田」などが有名です。
昼食は名鉄駅改札近くの「神宮庵」で、ビーフカレーがお勧めです。独特のスパイスが好物で毎週食べることにしています。夏のカレーライスは元気の源と信じ、食べ飽きることはありません。
1989年、名古屋市交通局地下鉄名城線の金山総合駅が完成する前までは、神宮前駅から六番町、11番割へバスに乗って通勤していた懐かしい場所で、当時は中川区や港区へ向かう通勤客の乗り換え拠点でしたから早朝からバス停は混雑の激しい駅でした。
「神宮前」に名古屋鉄道のオフィスがあり、乗務員は神宮前駅で乗務交代があって、車内放送による運転手と車掌の名前が告げられます。電車が名古屋駅に向かって神宮前駅を出て金山駅を過ぎると、大きくカーブを描き、線路は西向きから北へ変わり激しく傾き揺れます。
歴史ある神宮の森の駅周辺は私の最も好きな街並なのです。

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