私が独身時代、岡崎の行きつけの飲み屋「成(しげる)」に通っていた頃、女将が「名古屋の飲み屋に連れていってほしい」と頼まれ、先輩のH氏と3人で丸栄近くの居酒屋に行ったことがあります。女将の目的は「お客の目線でお店を知りたい」とのことでした。
そして女将は店に入ると料理のみでなく、お客との対話や反応、店の構え、お客が何を求め喜ぶか、お勘定の仕方、送りの挨拶まで、鋭く学んで来たようです。
その他、幾つかの飲み屋から学び、店の改造にも着手し、私も長年通ったものでした。今は事務所として改装され、某会社に貸し出されていますが、前を通る度に懐かしく思い出します。
プロ野球もファンサービスが変わったのは、2004年9月、選手会(当時、古田選手会長)の、ストライキ以降ではないでしょうか。ファンあっての野球として、経営陣でなく選手が目覚めたのです。選手が客の感覚に気付いたのです。
大相撲も、期待するところは協会や部屋ではなく、力士自身がファンの気持ちやファンが大相撲へ期待するところに早く気付くべきです。長い伝統やシキタリを守りつつ、ファンに応えていくには、自らをどうすればよいのか、自ずと理解できると思っています。
隠蔽体質が暴露された海上保安庁、庶民は何を期待しているのか知るべきです。そして民主党代表選挙に立候補した小沢氏は、2003年9月26日、当時政権交代を目標に自由党(小沢代表)+民主党(菅代表)=現・民主党でした。これを解消しようとするのでしょうか。政権公約を守る姿勢は立派ですが、「党内ねじれ」を解消しなければ、庶民は付いていけません。
さらに、民主党内で普天間など安保問題、消費税問題、憲法問題など基本的な問題についてしっかり議論を進め、一貫した政策を打ち出さねば、経済・財政政策(財源)も舵取りが危ないと見られそうです。
一度、庶民感覚を取り戻し、原点にたって、自らを見直してみることが必要ではないでしょうか。私は、かつて「成」の女将から、お客の目線になることを学びました。今でも大切だと思っています。
名古屋市中区金山から名古屋駅方面を撮影

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