連休が終わって今日も雨降り、久しぶりに自宅前から名鉄バスを利用しようと停留所に立つと、小学校に通う約30人ほどの児童の列で色とりどりの傘が、まるでパッと花が咲いたようでした。
他の乗客は年配の女性が多く、市民病院や県立病院に通う人のようです。成人男性は私を含め数人、途中から杖を持った老夫婦と思しき2人と、片足不自由な青年が乗ってきました。
年配の女性は彼を見るなり席を立って譲ろうとするのですが、彼は笑顔で「大丈夫です」と断ったのです。それでも彼女は必用に彼を座らせるのでした。瞬間でしたが彼女の瞳は孫を見るような優しさを感じたのです。
バスは、1人掛けと2人掛けの椅子が有るのですが、2人掛けの椅子は狭く、小さな子連れ用なのでしょうか、大きなカバンを持っている人には実質1人用と同じスペースなのです。老夫婦の2人がけは無理でした。
田舎を通るバスは、時間帯によるのですが乗る客は少なく赤字路線なのです。それでも三世代住宅や通学を抱える福祉路線で、地元の声を聞き柴田泉市議は各方面に働きかけて廃線とせずに継続増便させたものです。
車社会となり、地元で働く人達は通勤に自家用車を使い、バス通勤をする人は限られ少ないのです。利用者は老人、子供、障害を持つ人に絞られ、車社会のセフティーネットとしての役割は、採算では計れないものが有るように思います。
私も、いずれ免許証の返納をする時期が来るかと思います。そんな時、田舎に住む人の交通手段を失うことは、生きていく術(すべ)を失う事と同じではないかと思うのです。
久しぶりに乗った雨の日の名鉄バス、色々な事を思い巡らせているうちに終点、東岡崎に到着しました。

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