春を告げる岡崎の「滝山寺鬼祭り」が昨夜行われ、呼び物のタイマツの火が本堂の回廊を逃げ回る「祖父鬼」「祖母鬼」「孫鬼」を追いかける行事に大勢の見物客が集まったと報じられています。
小学校低学年の頃、父親に自転車に乗せてもらい見物に行った記憶があります。火祭りの始まる前、寒い中で大勢の見物客が今か今かと鬼の出を待つ光景が思い出されます。帰りの自転車では眠くて何度も父親に目を覚ましているように注意を受けた記憶が懐かしい思い出です。
かつて和菓子職人であった父、家では頑固で恐ろしい存在でした。父母は高齢になって私が生まれたものですから、他の家の子供よりズーット大人びた子供に育ったようです。15歳のとき父は病死、生活は一変しました。
私の思い出の中での父の存在は、触れ合う期間が短かっただけに、子供の頃の思い出に父が出てまいります。人生後半の父は戦争と言う悲しい出来事に負けず、必死で生き抜いて、自分の生き方を私に教えたような気がしています。
父は口数が少なく、職人らしく見て覚えると言うシステムをとり続け、食糧難の時代、今ではゲテモノと言われるような物も食べ、鶏の処理の方法まで私に教えておいてくれました。
亡くなって暫くは、家の中に大きな穴が開いたように感じがしましたが、必死で高校に通うことで気を紛らわしたものです。
三河地方の春の訪れは、鎌倉時代から長い伝統とともに伝わる「滝山寺鬼祭り」が、父の思い出とともにやってまいりました。今年も良い春でありますように・・・・・。
浜松航空自衛隊で(2月2日撮影)

0