文化庁はユネスコに出す世界文化遺産登録の暫定リストに「富士山」を加えたそうです。多くの団体が長年世界文化遺産登録を目指して活動してきたという事ですから嬉しいですね。
今から数十年前、私が中学三年生の夏休みの事でした。義兄から「7月27日に富士山に登るのだが一緒に行かないか」と誘われ、喜んで付いて行ってきました。
まだ空の暗い早朝、当時国鉄豊橋駅から,黒煙を吐いて走る汽車(蒸気機関車)で富士宮まで乗って、富士宮から富士山五合目まで珍しい左ハンドルの外車タクシーで登り、あとは金剛杖を手にし頂上目指して歩きました。七合目付近で義兄は高山病になり1人で下山する事になってしまいました。
私は義兄の友人Nさんとご一緒することとなり、八合目で1泊、山小屋の宿泊客は満員で、寝るところはタタミ1畳分もなく、隣の人と身体をくっ付けて寝るほどでした。夜は夏でも寒く、トイレに起きると自分の寝る場所がなくなってしまうので困って我慢していた記憶があります。
翌朝、頂上まで到着すると遠く雲間から昇る素晴らしい日の出を見ることができました。昇る太陽に向かって自然に手を合わせ、時のたつのを忘れ、しばらく富士山の良さをかみ締めていました。
「富士山はゴミの山」と最近聞いた事があります。登山客の残していったゴミを清掃するボランティアのニュースが流れるほどですから・・・・・。当時は考えもしなかった事ですが現実のようです。
「世界遺産」となれば登山客もそうはゴミを落としてはいかないでしょう。しかし、一方で規制が増えれば、増えたで地元住民との関係も難しくなる事は予想できます。
少年時代の美しい思い出「富士山」、いつまでも綺麗であってほしいものです。

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