(この先の文は基本的にNHK出版刊の「すごい科学で守ります!」シリーズ3巻を読んでいる事を前提に進めさせていただきます。)
さて、ハリケンジャーには後半、シュリケンジャーの登場と共にその変装として歴代の戦隊ヒーローOBの役者が毎回ゲストで参加するようになりました。基本的には全員、出演当時とは別の名前で登場していますが、おそらく31世紀に帰ったドモンやキャラが明らかに異なるカーレンジャーOBの2人以外は(ソバ屋の
オーレッドも微妙だが対バラノイア戦の後、正体を隠して市井の中に潜り待機中という説も…)皆本人だったようなフシがあります。
一例を挙げれば、
ダイレンジャー本編中でもペットショップの店員をやりながらもしょっちゅう釣りに行ってた
大五(釣り師?の浜田三平)や「
ギンガマンVSメガレンジャー」の中で卒業後「
無敵戦士メガレッド」として名刺まで作って個人営業してた
伊達健太(探偵の柿生太郎)などがいますし、興味深い点としては
ファイブレッド・星川学が羅門勇作という名の迅雷流由縁の気功師として活躍していた事です。「すごかが」内でも触れられていましたが、
ファイブマンの星川一家と
ダイナマンの
ダイナブラック・星川竜、ついでに
ライブマンの星博士も親戚関係にあったと考えられますからおそらく宇宙から帰ってきた後、不況で再就職先が見つからず、従兄弟の忍者、星川竜のツテを頼って気功術を習得し、迅雷流に紹介してもらったのかも…
そしてもうひと方、あからさまに
宇宙刑事ギャバン・一条寺烈な烈堂和尚。彼が同一人物なのは疑う余地もありませんが、ここに来て「すごかが」でも取り上げられていた
ギャバン=デンジブルー・青梅大五郎説の信憑性が更に高まりました。実は「すごかが」内でのデンジマンやギャバンの項では特に言及されてなかったのでこれは僕の個人的な推測なのですが、ギャバンの
電子星獣ドルが星獣だとして、どこの星の星獣で何故ギャバンにのみ従うのか、考えた時、ピンと来ました。電子星獣と言ってるんだからこれはデンジ星の星獣に決まってます。青を基調としたカラーリングも
ダイデンジンに酷似しています。デンジ星は3千年前にベーダー一族によって滅ぼされてしまいましたがその星獣のドルは辛うじて生き延び、銀河連邦警察に保護されたようです。あのメタリックな外観は元からなのかサイボーグ化されたからかはわかりませんが…一方滅ぼされたデンジ星の人々はデンジランドと共に地球に移住してきます。
サンバルカンでも少し触れられていましたが、デンジ星人には特殊な能力があり、一部の人々は隠れ里を作って他とあまり交わらずに生きてきた様な描写があります。しかしこれってほとんど忍者と変わらないんじゃ…と思いませんか?そう。木の葉を隠すなら森の中、異能者集団を隠すなら同じく異能者集団である忍者と交流を持った方が都合がいい訳です。そして時が流れ、デンジマンに選ばれた青梅大五郎はベーダー一族を壊滅させた後、父方の縁で宇宙刑事になり、そこで今まで誰にも心を開かなかったドルを懐かせたことからパートナーとして組まされたのではと。
宇宙刑事シャイダーの時、バビロスが沢村大に与えられた経緯から察するに充分あり得る話です。そして地球に戻った後、里に戻ったと。ただ、さすがにもう一人の大場健二キャラ、
バトルケニア・曙四郎は別人だとおもいますがね。
さて、これでハリケンジャー自体についてはあらかた語ったので、ここから先は正史から抹消されたもう一つの戦隊について語りたいと思います。
まず、僕の手元に何冊かの資料があります。ケイブンシャの大百科シリーズですが、
ダイナマンや
バイオマンの頃までは
ジャッカーと
バトルフィーバーの間の空白期間にもう一つの戦隊が確認されていました。それは…
はい、表紙を見てお分かりの通り、この当時は
忍者キャプターも戦隊に含まれていました。しかし、チェンジマンの頃辺りから何らかの事情でその存在を抹消されたようなのです。(楽屋裏的事情から言えばキャプターだけ放送局が違ったためなんですけどね)で、技術的にはかなりローテクでヘルメットなんかはバイザー式ですが、手動で開閉できるのです。
世界忍者戦ジライヤなどでもマスクの目の部分は空いていたので、感覚の鋭敏な忍者にとってはヘルメット備え付けのセンサー類はむしろ邪魔になるのかも…
そしてキャプターのチーム構成ですが、このチームだけは最初から7人います。さらにその中に水忍、雷忍、風忍…といかにもなメンバーがいます。僕の推測ですが、戦隊強化スーツのテクノロジーを研究するために疾風流や迅雷流から出向してきた忍者だったのかも知れません。
さて、「すごかが」では軍の研究施設で開発された強化服、ゴレンジャースーツの装着テストに仮面ライダー達が被研体となって協力してくれていたのではないかと推測されています。確かに万一スーツに不具合があって爆発事故や窒息など起こしたとしても改造人間のライダー達なら大したダメージにならないでしょう。しかし、毎年スーツを新しく開発する度に本来フリーであるライダー達に協力してもらう訳にはいきません。そこで、軍の上層部とはかなり古くから関わりのある(仮面ライダーのはるか以前から
忍者部隊月光というゴレンジャーの先祖のような部隊もあったことだし…)忍者の一族に試作型装備の実地試験とモニターを依頼したのでしょう。それが証拠にキャプターも幾分かは小型ですが、ゴレンジャーと同じローター型の飛行メカ、
ヘリキャプターと装甲車の
キャプターマシンを持っています。ただ、問題はゴレンジャー終盤の頃、次期戦隊スーツの開発に着手したちょうどその時期に戦略兵器開発研究チームの中のサイボーグ改造派閥が主導権を握り、禁断のサイボーグ戦隊、
ジャッカー電撃隊を誕生させてしまった事でした。スーツの開発が遅れ、後手に回ってしまった事が招いた悲劇でした。大体戦闘チームを作るにせよ、宇宙開発を行うにせよ、このサイボーグ化派閥と強化スーツ派閥は常にぶつかり合っています。ズバットスーツもライブマンやメガレンジャーのスーツも元々は宇宙服として開発されたものでしたが、実用化されたのは惑星開発用改造人間として誕生した
仮面ライダースーパー1の方が先でした。とにかくこの時の開発チーム内部での主導権争い等のゴタゴタで戦隊首脳部が一時機能しておらず、ジャッカーとバトルフィーバーの間に空白期間ができていたのは確かなようです。
で、その間の侵略者に対してはスパイダー星の戦士や忍者達等が戦って食い止めていました。しかし忍者の場合、どうにも組織が一枚岩ではないので流派同士の争いが絶えません。更に厄介な事に同じ流派であっても、例えばキャプターでは敵として戦っていた風魔忍群も警視庁上層部の要請で陰一族と戦う正義の風魔一族・鬼組が存在していたりして、(実際キャプターも火忍キャプター7は風魔の抜け忍だった)混沌とした様相で派閥争いの抗争に明け暮れていたので、戦隊首脳部からはあまり信用されてなかったようです。そのため各流派の忍者達は、色々な手を尽くして戦隊内部に入り込んではそのテクノロジーを吸収して持ち帰り、戦力の増強を図っていたようです。もしかして
ダイナブラック・星川竜があまりにも大っぴらに忍者であることを明かしたためにスーパー戦隊のテクノロジーの忍者による機密漏洩が発覚して、キャプターは戦隊から除名されてしまったのかも知れません。だってその前年の
ゴーグルVの時も、
金忍キャプター5の大山昇が
ゴーグルイエローとして潜入していましたし、
バトルフィーバーにだって殉職した
バトルコサック・白石謙作に代わって
神誠の名前で
火忍キャプター7・出雲大介が入り込んでいます。あとこれは確証はありませんが、同じくバトルフィーバーで
ミスアメリカ・D・マーチンが怪我と正体発覚のため、リタイヤした後の
2代目ミスアメリカ・汀マリアも結構怪しくて、僕はその約1年前にアメリカに留学した初代の
花忍キャプター3・桜小路マリアなのではとにらんでいます。顔こそ違いますが名前も同じマリアだし、ヌンチャクを得意武器としている所も共通しています。
よって機密漏洩発覚のこの後、3年位かかって流派別による忍者の選別等を行い、更にあらかじめ忍者である事を申告した上でないと戦隊に入れなくなってしまったようです。(最初から忍者と判明している
マスクマンの
イエローマスク・ハルカの後、
カクレンジャーまで忍者が登場しないのはそういう事情からなのではと。(マスクマンの翌年の
世界忍者戦ジライヤに於けるパコの争奪戦でかなり忍者の総数が減ってしまったからという説も考えられますが…)
余談ですが、
ライブマンに登場した星博士はもしかしたら
火忍キャプター7・出雲大介のその後の姿なのかも知れません、しかし、それまでの忍者としての死闘の連続で傷つき、ボルトの猛攻の前にそれでも妊婦を守り、力尽きたのではないかと思います。
さて、おそろしく長くなってしまいましたが、ハリケンジャーとそれに関わる忍者の世界の影の歴史についてはこの辺で。次回はあえて今回取り上げなかったもう一人の忍者と様々なヒーローの歴史に関わってきた謎の存在、
宮内ヒーロー史について語りたいと思います。

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