さて、前回は60s〜70sのスーパーヒロイン、
バトルヒロインの歴史を追ってみた訳ですが
この後80年代に入る頃から
「ヤマト」・「ガンダム」
そして
「うる星やつら」等のアニメ作品の台頭により
一大アニメブームが起こりました。特に
「うる星やつら」
の登場は後への影響が大きく、今ある殆どの
「ハーレム系ラブコメ」に分類される深夜アニメや
ギャルゲー、およびその原作のラノベや
コミック等の原点・ルーツだと考えられます。
この作品自体はスーパーヒロインものに分類
する事はできませんが、後で紹介する作品
との関連性は無視できないので一応
挙げておきました。
それと、海外でのスーパーヒロインものと
いうのもいくつかあり、多少なりとも
日本の作品も影響を受けているので中でも特に
重要なモノに絞って3作品のみ紹介して置こうと
思います。
まずは何と言っても
コレでしょう。
ワンダーウーマン(1976〜79、日本内では1977〜81)
は上記の"うる星やつら"にも影響を与えている
"スーパーヒロイン"のスタンダード・基本形
と言っていい存在です。出自も「アマゾネス」+
「アテナ」という由緒正しき出で、当時の日本人も
知ってた3大アメコミヒーロー
(スーパーマン・バットマン・スパイダーマン)
と並んでも引けを取らないスーパーヒロイン
であったのは確かです。
2つ目は米ドラマ
"600万ドルの男"の
スピンオフ作品として制作された
「地上最強の美女バイオニックジェミー」
(1976〜78、日本内では1977、78)です。

スカイダイビング中の事故で瀕死の重症を負い、
両足、右腕、右耳をバイオニック移植手術された
いわゆる"サイボーグ"です。
そのため派手な変身や衣装になる事はありませんが
普通の人間では無くなってしまった改造人間の悲哀
や苦悩といった面にも触れられており、
無視できない存在です。個人的には怪力を発揮する
時の独特のSEやコンピューターボイスによる
プロフィール報告と言った体のOP画像が非常に
印象的でした。
さて、3つ目は僕自身は実は一度も観たことは
ありませんが、一応前述の
"バイオニックジェミー"の
後番組となっていた事も有り、また、前回取り上げた
「プレイガール」等とも近いコンセプトだったので、
比較の意味もあって取り上げる事にします。

この
「チャーリーズ・エンジェル」
(1976〜81、日本内では1977〜82)
は年代から判るとおり、実は日本の「プレイガール」
等より後に制作されたドラマであり、直接影響を
受けた例は少ないと思われますが、それでも海外に於いて
"集団ヒロインによるスパイアクションドラマ"という概念を
定着させたという功績は大きいと言えます。
で、その影響を少なからず受けたと思われるモノとして一応
挙げておきたいのがこの作品です。
この
「キャッツ・アイ」(1983年)は
スーパーヒロイン物の
範疇に入れてしまうには多少無理があるのですが、ここから
派生したダークヒロイン系の作品も数多く存在するため、
これもまた外す訳にはいかないでしょう。
ここで話はガラリと変わりますが、前回の記事では
テーマからかなり外れてしまうため、あえて扱わなかった
60s〜70sのスポ根系ドラマやアニメのヒロインというのも
実はいくつかありました。代表的な作品のタイトルだけ
挙げると
「サインはV」「アタックNO.1」「エースをねらえ」
等が有名ですが、それ以外にも
「金メダルへのターン」
「あしたへアタック!」「美しきチャレンジャー」
といった様々なジャンルのスポーツで活躍するヒロイン
がいました。また、後の90年代初頭の
「アイドル伝説えりこ」
「アイドル天使ようこそようこ」の様に
芸能界で活躍するヒロイン像というのも実は根底の部分
ではスポ根物と似通った面があり、かなり昔からドラマや
アニメの題材に用いられていました。
そして70年代の一時期、その2つが1つになって
現実の世界で大活躍していた事がありました。
いわば現実世界のスーパーヒロインと言えた存在が
彼女たち女子プロレスラーの
"ビューティー・ペア"です。

(1976〜79年)ドキュメンタリー風味の映画、
「ビューティーペア 真っ赤な青春」も77年に
公開されています。
さすがに僕自身は現役時代の試合等をリアルタイムで
観た事はありませんが、引退後にマキ上田さんが
サロメ役で「バトルフィーバーJ」に出演していたのは
観ていました。勿論当時は特別な感情は持っていません
でしたが、調べてみると当時芸能界のトップスター
だったピンクレディーとも歌番組等で共演することも
多かったとの事でかなりの人気だったようです。
で、このビューティーペアにインスパイアされて
SF作家 高千穂遙によって生み出されたのがこの
「ダーティーペア」(原作1979〜/アニメ1985〜)な訳です。

90年代に"フレッシュ"としてリメイクされましたが
最初のTVシリーズは実は先述の「キャッツ・アイ」の
後番組でした。この位の時期から徐々に新時代の
スーパーヒロインが形成されつつあったとも
いえるでしょう。2人組と言うことで、初代の
「プリキュア」のルーツとも考えられます。
キャラシフト的にも。
ただ残念ながら僕自身はそれ程番組を観ていた訳では
ないのであまり細かく触れる事はできませんが。
そんな訳で今回は少し変わった切り口で70〜80年代の
スーパーヒロインの歴史を追ってみましたが
如何だったでしょうか?
次回は80年代ヒロインパート2。OVAの台頭により
ちょっとアダルティーな方面にも触れてみたいと
思います。でわでわ。

0