通称・王子(製紙)道場。空手はもとより柔道、剣道、弓道など武道のメッカだ。JR苫小牧駅を降りて南口から西に数分歩くと、生垣と芝生のなかにその佇まいを見ることができる。
ここは、高校生の時から地区連の空手大会の研修や講習会で訪れた懐かしい場所でもある。また、高校の道場にも剣道、柔道の先輩諸氏がみえられ、稽古を就けて頂いた。
道場の武者窓と生垣の間に弓道場があり、先日訪れた時にはパシッ、パシッと矢が的を射る音だけが冷たい空気の中で響いていた。中々良い雰囲気ではある。
大会と云えば記憶にあるのは、和道流豊心会・小野寺先生の組手と型である。特に型は先生が世界大会で優勝されたほどであるから、今でも鮮明に覚えている。
私が高校二年の秋の大会、一般の部で演武された観空大は忘れることが出来ない。それから私は観空が好きになり、今は観空でサイを振るのが一番好きである。
月曜日に本部で独り練習をしていると、館長が飛び入りされ公相君と観空の比較演練となった。観空はスピード感が身上だが、キメを作る古式の公相君の演武も良いものだ。
古式の型には何となく実戦の雰囲気と云うか、凄みのようなものが漂っている。演練する手足の先に実際に相手が居る様に感じるのだ。
高橋師範から「ピンアンは和道の小野寺先生が研究した結果・・・一番実戦に近い形と言っていた」とのコメントを頂いた。
ピンアンには観空からの技が多数取り入れられており、小野寺先生のご指摘は、誠に示唆に富む言葉であると反芻している。

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