「シャラノキ」とも呼ばれる「ナツツバキ」が庭で咲き始めた。なんでも仏教の聖樹である沙羅双樹に擬せられたとの事だが、私の大好きな花である。
いつの間にか白い球状の蕾が葉の間から現れる。5月の雨が多くなる頃なので、気付くとあちこちにポッ、ポッと蕾が膨らんでいる。
開花すると、楚々とした純白のはなびらと、葉陰に隠れるように開く姿。はなびらは幾分皺が入り、はにかんでいるような風情がある。
そしていつの間にか枝から離れて落ちてしまう。
そして洋なしのような形の実がつき、それが秋になるとはじけて、面白いオブジェになり、その頃には紅葉もする。
一年中楽しめる樹である。
このシャラノキよりも小さ目の花が咲くので「ヒメシャラ」と名がついている樹がある。伊豆の庭にもかなり高いヒメシャラがあるが、花期が6、7月なので余り行く折りがなく、散ってしまった花を見るくらいである。こちらは木肌が美しいのと、すっくと立ち上がった樹姿が清々しく、見ていると元気が出てくるような気がする。
ただ適地があるらしく移植してもなかなか育たないと聞いた。箱根には多いと聞いたが、伊豆も一定の標高の一帯にはかなり見られる。適地には実生がたくさん出てくる。
今、拙宅の庭に移植したものが育ってきたので、どうなるか楽しみである。
写真上 ナツツバキ(携帯のカメラなので写真は今ひとつ)
中 ヒメシャラ
下 ナツツバキの実がはじけた所
中と下の写真は余所から拝借しました

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