今日は7月1日に開催した10周年記念コンサ−トの反省会があった。
その後Yさんから頂いたチケットで小松原庸子スペイン舞踊団のフラメンコの公演に息子と行った。
初めて見るフラメンコの公演は素晴らしかった。フラメンコというと派手な衣裳を身にまとっての魅惑的な踊りを想像していたのだけれど、考えを改めさせられた。アコ−スティックギタ−と迫力と張りのあるいくらか濁声的な歌声、そのバラ−ド調の歌は、今日のようなイベントのステ−ジでなく、もっとこじんまりした所で間近に見たり聴いたりすると、きっと心に染み入るものが音楽から溢れてくるのだろうなと思われた。華やかな踊りという印象は薄れ、ジプシ−達の魂の表出の歴史なのかも知れない、などと判った風な事を思ってしまった。息子はスタンディングオベ−ションをしそうなくらい興奮状態だった。
また脚での華麗なリズムには驚嘆した。あれほど早いステップは人間技ではないと思うほど。尤も本場スペインでも若手の人気NO、1の舞踊家だそうだ。25歳という年齢を聞き、息子は「エ−! 俺とタメだ!」と絶句。よく脚がつらないものだと老化現象がみえはじめた私はそんな愚かな事を思ってしまった。きっと努力の賜と、持って生まれた天性のリズム感なのだろう。
そして大いに参考になったことは、プログラムの中に会場のお客様と一緒に踊るという「みんあで踊ろうセビジャ−ナスX」というプログラムがあり、客席のあちこちで立ち上がって多くの観客が舞台の踊り手と一緒に客席の間で踊って居たことだった。どうやらフラメンコを習っていたり、心得のある若い人たちが多かったようだけれど、こういう内容を取り入れる事で舞台と観客が本当に一つになることが出来て、ただフラメンコを観た、ということだけでなく一緒に踊れた、という満足感を持てるのだろうな、と羨ましく、そして素晴らしいな、と思い、とても参考になった。
心配した雨も降らず、日比谷野外音楽堂の客席には時折夕方のさわやかな風が吹く、まさに「真夏の夜のフラメンコ」だったが、今年で36回目を迎えたこのイベントも今年で最後かもしれないという。それは東京都の条例で平日の夜にはこのように騒がしい音楽を伴う公演は禁止になるのだという。土日をとるためには200倍の抽選に参加し、勝ち取るしかないとの話。日本のフラメンコ界の第一人者である小松原庸子さんの舞踊団でさえそういう状態であるなら、我らポロニアネットワ−クの愚痴は言えないな、と思いながら帰宅。


0