顧問の松井康司先生が所属されている二期会・ドイツ歌曲研究会のリ−ダ−・ア−ベントでゲ−テの“ミニヨンの歌”と“竪琴弾きの歌”の2曲に、シュ−ベルト、シュ−マン、ヴォルフの3人の作曲家が曲を作っているが、その比較研究というとても有意義で興味深い演奏会が11月に開催されるという。
“ミニヨンの歌”は歌曲にうとい私でも詩は聴いたことがあるくらい有名なものだけれど、1つの詩に3人も作曲しているとは知らなかった。
声楽の方にとってはとても参考になる演奏会になるだろうと思う。
こういう歌曲、いえ、歌曲ばかりでなく演奏する曲すべてにいえる事だろうが、曲の背景を知り、理解し、作曲家のその曲にたいする心を知らなければ良い演奏は生まれないのは自明の事だけれど・・・。きちんと勉強しようと思うと、とても時間が必要。1日が30時間くらいあれば良いのに、とよく思うことだ。
“ミニヨンの歌”
君よ知るや南の国
レモンの花咲き
緑濃き葉陰には、こがねのオレンジたわわに実り
青き空より、やわらかき南の風
ミュルテは静かに、ロルベ−ルは高くそびえる。
君よ知るや、かの南の国。
かなたへ、君とともにゆかまし。愛しきひとよ。
Kennst du das Land, wo die Zitronen blueh'n,
Im dunklen Laub die Gold-Orangen glueh'n,
Ein sanfter Wind vom blauen Himmel weht,
Die Myrte still und hoch der Lorbeer steht,
kennst du es wohl ?
Dahin! Dahin!
Moech't ich mit dir, o mein Geliebter,zieh'n.
“竪琴弾きの歌”
家々の戸口にそっと近づこう
おとなしく行儀よく立っていよう
慈悲深い手が食べ物を恵んでくれる
そうしてわたしは また歩いてゆく
わたしの姿を目の当たりにして
だれもがじぶんを幸せだと思う
涙を一粒 だれもが流す
どうして泣くのか わたしは知らない


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