気になる言葉や覚えておきたいことをこのmemoに書いておくことにする。
「坂の上の雲」での正岡子規の言葉。
「孔子主義の、親に孝行せい、なんていうのは僕は大きらいだね。あんなこと、いわれると孝行が理屈のようにきこえて、きわめて不愉快だ。僕なんどは、親でも叱り飛ばすことがたびたびあるね。しかしそれがために親に対する愛情が無くなりも減じもしない」
「一方では僕は。非常に残酷な性質をもっているね。秀吉が中川清秀を犠牲にした(司馬遼太郎註・中川は賤ヶ岳合戦における秀吉側の前線指揮官)。ナポレオンが何千人を一時に殺したなんていうのを聞いても、それほど残酷とは思わない。秀吉だけの事業をするには、中川一人ぐらい殺してもよいと思う。中川もまた秀吉ほどの人の犠牲なら甘んじてなってもよかろうと思う。僕が秀吉の位置にいたらやはりこんな事をやるかも知れぬ。」
「それから考えると、ずいぶん悪人の性質を僕はもっている。世人は悪い事をせねば善人だと思うているが、それは間違いだ。いくら悪人だって、悪い事をする機会がこなければ悪い事をするものではない。
僕だって、今まで悪いことをしないのは、機会がないからだ。ずいぶん残酷な事もやるつもりだがね」
真理をついているのではなかろうか。

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