親の電子辞書 カシオXD-90の電源が入らなくなった。
電池は交換したばかり。
電池を入れ直すか、リセットボタンを押すと電源は入り、
使用できる。
つまり、「入」ボタンが利かなくなってしまったようだ。

すんげー汚い
調べると、2000年発売、希望小売価格15,000円。
デッドストックなのか、現在もネットでは
6,000円前後で売られているものもある。
最近の物とは違い、小型薄型というのが利点。
我家では4,000円弱で買ったもの。
21年物であり、収録語も古いだろうが、
ワザワザ買い替える気にならないのが、我家の貧乏根性である。

背面の電池カバー周辺に、ビスが4本ある。

ネジ止め剤が使われているのか、最初は結構固く締まっている。
ビスは+00ドライバーが一番近いのだが、溝が浅く、
単純に-をクロスさせたようなパターンになっている。
ドライバーによってはナメてしまいそう。
+00を軽く当ててドライバーがしっかり噛まない時は、
精密の小さい-を強く押し当てて使った方が良いと思う。
このビスを外した後、外周をヘラ等で開いていく。
そんなに固くはハマっていないので、開腹は簡単だと思われる。

裏カバーを外した後、基板もビス4本で留まっている。
外装と基板のネジは、ドライバー同じでも山が違う物なので、
混在させないように注意。

分解時、リセットボタンと、それを押し付ける黒丸部品は
紛失注意。

本体フリップカバーを留めるためのツメ部品も紛失注意。

これで基板1枚になる。
液晶周辺は汚いので閲覧注意(笑)
また、液晶は基板裏側からフィルムケーブルで繋がっている。
損傷しないように丁寧に扱う。
液晶とケーブルは、作業中に動かないように
テープ等で固定した方が良いかもしれない。
接点基板はリモコンのような黒いパターンではなく、
銅箔パターンとなっているので、抵抗は少なそう。

ちょっと触りたくないくらいに汚かったので、
OAクリーナーシートで清掃後。
さすがに20年物とあらば、擦り傷等はどうにもならないので、
綺麗にした爽快感はあまり得られない(笑)

本当は水で洗いたいレベルだったが、ボタンのゴミや手垢は、
OAクリーナでもだいぶ綺麗になる。
人の手が触れるところは、やはり綺麗なのがいい。

ボタンの接点を綿棒で清掃してから、
ボタンの裏の黒い導電ゴムを4B鉛筆の芯の腹で擦る。
反応の悪いものは念入りに黒鉛を塗り付ける感じで。
途中黒鉛の着きが悪いと思ったら、
カッターナイフ等で芯を軽く削ったり、鉛筆の芯を紙等に擦り、
芯の表面をザラザラにするとよい。
反応の悪くないものは、
逆に導電ゴムを傷める可能性があるため、
むやみにゴシゴシしない方が良いと思われる。
一通りやってみたものの、一度目は反応が良くなかった。
もう一度分解し、更に濃く鉛筆で黒鉛を塗り、
基板側の銅箔も軽く鉛筆で擦る。
これでダメなら、導電ゴムの部分に
アルミ箔を切って貼り付けるという方法になる。
しかしシリコン様の素材にくっつく接着剤が
なかなか手に入らない。
アルミ箔が剥がれた時に落ちた場所が悪いと、
内部で常時通電してしまうという問題もあるので、
できればやりたくない。
これで再度組み立てる。

「前見出し」「次見出し」ボタンは、何も考えずに戻すと、
間違った方向にハメてしまう。
「なんか納まりが悪いな」と思ったものの、
全部組み立て終わってから「ボタンが押せない」
ということに気が付き、再度分解した。
冷静に考えれば、違和感を感じた時点で確認しておくべき(笑)

鉛筆の黒鉛を導体にしてしまうという脆弱な方法だが、
めでたく復活(^^)v
調子の悪いボタンは、しっかり黒鉛を塗りつけたので、
軽い押下圧で動作するようになった。

本体は擦れてしまっているので、あまり綺麗には見えないが、
20年分の汚れと雑菌は充分落とせただろう。
この方法だと、また症状は出てくるだろうが、
ひとまず延命できたので、買い替え回避。

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