2009/4/25 18:47
父とニュースと @ 思い出し話
小学校に入るか入らないかぐらいの頃だったか・・・
わたしは、テレビの中で起こってる事のどれが本当の事だかわからなかった。
競艇選手の父は外出嫌いで、仕事(レース)から帰ってくると家に居る事が多かった。
テレビの前にも食卓にも、いつも父と私は長っちりだった。
ある日、テレビでやってる事は全部お話なの?って聞いてみた。
父は言った。
ドラマは役者さんが死んだフリしてるんで、終わったら立ち上がってお家に帰る。
でも、ニュースの中でつぶれている車は本当につぶれていて、
名前が出てる子供たちは本当につぶれて死んじゃったんだ。
ニュースで言ってる溜池で溺れて死んだ子は、もう家族にも会えないし、
ご飯も食べられないし、お墓に入れられちゃうんだ。
ものすごく怖かった。
子供一人が這いつくばってようやく通れるお寺の溜池の排水溝
(方向転換できないので、そのままバックで出て来る)に潜り込んで
ひとりで蟹や亀を捕ってたけど、それが急にできなくなった。
それまでは『人が死ぬ』という概念が理解できなかった。
と言うよりは、まったくそんなもんは知らなかったんだけどね。
それから急になだれ込むようになった情報量はすごかったように思う。
とは言っても・・・
いつも、いろんな事を考えてたみたいに自分では思うんだけど
傍目からは、部屋の隅でボーっとしてたり、アリの行列を何時間も見てたり
熱中すると人の話が聞こえなくて、ツバを飲み込むのを忘れて涎を垂らしたりと
少々心配な子だったみたいだ。
最近の無理心中のニュースとか見てて、ふっと思い出したから書いてみた。
亀の子タワシ〜
小さい子って、ニュースの中の事って本当だと思ってなかったりするから
ちゃんと一緒に見てお話してやりなよ。
お前さんも、忙しいだろうけどね、
お母さんはこう思うんだ・・・って、話してやる事は大事だよ。

