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2007/7/11

『素粒子』  映画道

『素粒子』
ELEMENTARTEILCHEN

2006年ドイツ映画 113分
脚本・監督:オスカー・レーラー  原作:ミシェル・ウエルベック
出演:モーリッツ・ブライブトロイ(ブルーノ)、クリスティアン・ウルメン(ミヒャエル)、マルティナ・ゲデック(クリスティアーネ)、フランカ・ポテンテ(アナベル)、ニーナ・ホス(母ジェーン)、ウーヴェ・オクセンクネヒト(ブルーノの父)、コリンナ・ハルフォーフ(シェーファー博士)、トム・シリング(青年期のミヒャエル)、トマス・ドレクセル(青年期のブルーノ)、ウルリケ・クリーナー(アナベラの母エーデルトラウト)、ヤスミン・タバタバイ(ヨギニ)、ミヒャエル・グヴィスデク(フライサー教授)、ヘルベルト・クナウプ(ゾラース)、ジェニファー・ウルリッヒ(ヨハンナ)




国語教師のブルーノと天才科学者のミヒャエルは異父兄弟。母・ジェーンは2人が幼い頃に育児放棄をしてインドに出て行き、祖母によって育てられた。ブルーノは結婚生活を送っていたが、教え子のヨハンナの色香に惑わされ、手を出そうとするが拒否されてしまい、精神のバランスを崩す。シェーファー博士のカウンセリングを受けるブルーノは、少年の頃インドから戻ってきた母に連れられて初めて弟のミヒャエルに出会ったときのこと、ベッドで眠る母親の姿を見てマスをかいたこと、それを見ていた黒猫に手をかけたこと、初体験は祖母の葬式の夜だったことなどを話す。一方、とある理論の証明を完成させながら、3年前にアイルランドからドイツに戻ってきていたミヒャエルは、祖母の家に立ち寄り、幼馴染のアナベルと再会する。ミヒャエルに好意を寄せていたアナベルは、彼が今まで女性の経験がないと知るとベッドに誘う。その後、ヌーディストの集まるキャンプに参加したブルーノは、ジャグジーで出会ったクリスティアーネとお互いに惹かれあう。ミヒャエルはフライサー教授からかつての証明が100%正しいことが分かったと言われ、アイルランドにわたって研究を再開する。順調に研究を進めていたミヒャエルだったが、アナベルの母から連絡が入り、彼女が妊娠中絶して子宮を取る手術を受けていたことを知り、ベルリンに舞い戻る。一方、クリスティアーネは尾てい骨の壊疽により両足が麻痺してしまい、車椅子での生活を余儀なくされる。

1998年にフランスで出版されて衝撃を与えたというミシェル・ウエルベックさんの長篇小説を原作に、“ファスビンダーの真の後継者”と言われるオスカー・レーラー監督が映画化。
タイトルの素粒子とは物理用語の一つで、物質の最小単位とされている。
劇中には「真実とは素粒子のようなものだ」というミヒャエルの台詞が出てくる。
モーリッツ・ブライプトロイさんとフランカ・ポテンテさんが『ラン・ローラ・ラン』以来の共演というのが宣伝文句に踊っているが、2人がくっつくわけではない。なお、モーリッツ・ブライプトロイさんは本作でベルリン国際映画祭最優秀主演男優賞を受賞している。

と言った前置きはさておき、ミヒャエルは“性的接触によらぬ生命の人工生殖”、つまりセックスなしで生命を生み出すクローン技術に没頭してきた科学者。没頭するあまり40歳近くになるまで童貞だったほど。
逆にブルーノはセックスにとりつかれ、教え子の作文を読みながら自慰行為にふけり、原稿用紙に精液をぶちまける。なんせ母親でマスをかいたというぐらいだから筋金入りである(笑)。
妻には既に興味がなく、セックスの結果たる赤ん坊の泣き声には悩まされ、睡眠薬を半分に砕いてミルクに混ぜて飲ませようとする(オイオイ)。

そんな対照的な兄弟のそれぞれの相手となる女性は、2人とも子供を産んで育てることができない体となる。アナベルの方はまだミヒャエルとともにアイルランドに移り住む決心をしたからいいが、クリスティーナは自らマンションのベランダから身を投げる。ブルーノは再び精神病院へと向かい、死んだはずのクリスティーナの姿を見るようになる。
傍から見れば決して幸福ではない。
だが、ラスト、海辺に並べられたデッキチェアに腰掛ける4人の表情は穏やかに見える。
なるほど、クローン技術によって生命を作り出すことはできるかも知れない。
クローンで作られた牛たちを見てミヒャエルが「喜んでなさそうだ」と漏らすシーンがあるが、そのように作り出された生命には決して彼らのつかんだ幸福を感じることはできないだろう。

ブルーノを誘惑するヨハンナ役に扮したジェニファー・ウルリッヒさんは『みえない雲』のマイケかー!
そりゃああんな思わせぶりな態度を取られたらOKかと思っちゃうよなぁ。
ブルーノ、お前は悪くないぞ(笑)。


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