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2006/8/14

『蟻の兵隊』  映画道

(アリ)の兵隊』
The Ants

2005年日本映画 101分
監督:池谷薫
出演:奥村和一、金子傳、村山隼人、藤田博、百々和、森原一、宮崎舜市、増本敏子(宮崎舜市の長女)、奥村寿、小野田寛郎




終戦後、中国山西省にいた日本軍のうち2.600人が軍の命令により残り続け、国民党に編入されて共産党との内戦に参加した。ところが、日本政府は生き延びて日本に帰ってきた兵士たちを自分たちの意思で勝手に残ったとし、戦後補償を拒んだ。残留兵の一人、奥村和一さんは仲間たちとともに訴えを起こすが、まともな審理もないまま棄却される。奥村さんは命令を下した司令官・澄田ライ[貝來] 四郎が中国国民党の閻錫山と交わした密約の証拠を見つけるため、山西省に向かう。奥村さんはまた、少年兵だった頃、そこで訓練と称して中国人を殺害した現場を訪れる。


予想はしていたけれど、場内は超満員で私が着いたときにはもはや立ち見となっていた。私のような若造は立ってれば充分だが、ご年配の方々も立ち見をしていたのはお気の毒。映画館側ももう少しちゃんと対応しろよなぁ。
大体、モーニングショーだけというのがナメてるよ(ちなみにメインプログラムは『太陽』、レイトショーが『猫目小僧』だったりする。何考えとんねん。苦笑)。

それはさておき、「日本軍山西省残留問題」を扱った本作は冒頭から靖国神社から始まる。参拝しに来た訳ではなく、付属の資料館に行くためだったのだが、監督に参拝はしないのですかと聞かれた奥村さんが「国に兵隊に取られ、侵略戦争を行い、死んでいった兵士は神ではありません」とのっけから言い放つ。
靖国神社というととかくA級戦犯の合祀に関しての是非が議論の的となるが、A級戦犯であろうとなかろうと、国のために戦って死ねば神として祀られるという考え自体、大いなる欺瞞であるし、人民を戦場に送り込む方便に過ぎない。
私はこれまで小泉首相の靖国参拝に対してもどちらかと言うと肯定的に捉えてきたが、靖国神社という存在がナンセンスである以上、参拝もいいとか悪い以前に“下らないこと”だという気がしてきた。

印象的なのが、奥村さんが元中佐の宮崎舜市さんを見舞いに訪れるシーン。
脳梗塞で意識もはっきりとせず、言葉も喋れない病床の宮崎さんが、奥村さんの言うことに反応し、咆哮する。全身で怒りや無念、悔しさを表現しているその姿は凄まじく、涙を流さずにはいられなかった。
奥村さんは宮崎さんの無念を晴らすべく、山西省へわたって証拠を探そうとするのだが、この辺りからやや前後関係が明瞭ではなかったり、残留兵の問題よりも奥村さんが中国人を殺した話に焦点が移ってしまったりといった点はややマイナスだが、それでも一見の価値は十二分にある。
小泉首相もオペラなんかよりこういう映画を観たらどうかね(笑)。


★★★★
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