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2009/7/30

『エル・スール』  映画道

『エル・スール』
EL SUR

1983年スペイン・フランス映画 95分
脚本・監督:ビクトル・エリセ
原作:アデライダ・ガルシア・モラレス
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ  音楽:エンリケ・グラナドス
出演:オメロ・アントヌッティ(アグスティン・アレナス)、ソンソレス・アラングーレン(8歳のエストレリャ)、イシアル・ボリャン(15歳のエストレリャ)、ローラ・カルドナ(妻フリア)、ジェルメーヌ・モンテロ(ロサリオ夫人)、ラファエラ・アパリシオ(乳母ミラグロス)、オーロール・クレマン(イレーネ・リオス/ラウラ)、フランシスコ・メリノ(イレーネ・リオスの共演者)、マリア・カロ(使用人カシルダ)、ホセ・ビボー(グランドホテルのバーテンダー)





1957年の秋の朝、枕の下に小さな丸い黒い箱を見つけたエストレリャは、父アグスティンがもう帰ってこないと予感する。箱の中には父が愛用していた霊力の振り子が入っていた。エストレリャが8歳の頃、一家は“かもめの家”と呼ばれる郊外の一軒家に住むことになった。父は、家の前の道を“国境”と呼び、バイクに乗せてくれる。そして、水脈を発見する奇跡を行って村人に尊敬される父。そんな父と一緒にいられることだけで嬉しいエストレリャ。母フリアはかつて教師だったが、内戦後に教職を追われ、家にいて読み書きを教えてくれる。冬の雪の日、南では雪は降らないと母に教えられ、南に想いをはせるエストレリャ。父は南の出身だが、祖父と大喧嘩をして北へ出たのだ。5月になって南の人が訪れてきた。アグスティンの母ロサリオ夫人と乳母ミラグロスだ。エストレリャの初聖体拝受式の日の朝。教会には父は来てくれないだろうとエストレリャが諦めかけた時、アグスティンが教会の入口にいるのに気がつく。式の後、祝宴で南の曲“エン・エル・ムンド”にのって、エストレリャは父と共に、パソ・ドブレを踊った。その日、陽気に、南に帰ってゆく祖母とミラグロス。やがて、エストレリャは父がイレーネ・リオスという女優を想っていたことを知る。父は、映画館でイレーネ主役の『日陰の花』に見入る。内戦の頃に別れたかつての恋人で、本名をラウラという。彼女を未だに思っているのか。アグスティンはラウラに手紙を書くが、その返事は辛らつなものだった。「8年前に別れて以来、未来に生きる決意をし、女優をやめて一年になるのに、なぜ今さら手紙など」最後の一行がアグスティンの胸を打つ。「今でも夜の来るのが恐い」。アグスティンが最初の家出をしたのはそんな事があった直後だった。15歳に成長したエストレリャ。孤独に沈みがちな父。クランド・ホテルで食事に誘ってくれた時、それが最後になるとは思っていなかった。隣りのサロンでは、新婚を祝って、あの“エン・エル・ムンド”のメロディーが流れていた…。【「キネマ旬報DB」より】

ビクトル・エリセ監督が『ミツバチのささやき』以来、10年ぶりに発表した長篇第2作。原作は監督夫人のアデライダ・ガルシア・モラレスさん。

冒頭、黒地にオープニングクレジットが表示されていたかと思いきや、次第に明るさが増してきてそこが部屋であることが分かる。
タイトルのエル・スールは「南」という意味だが、最後まで南が出てくることはなく、北の荒涼とした雰囲気の映像が続く。母や乳母、「エン・エル・ムンド」といった南の要素をちらつかせる一方で、南には踏み出せない主人公の心情が綴られていく。
ただストーリー上、少々物足りなかったのは、妻フリアの視点が欠落している点。エストレリャの回想という形を取っているから彼女中心の物語になるのは仕方がないとは言え、あまりにも存在感がなさすぎた。


★★1/2
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