いつお邪魔しても3人いらっしゃる、若い男の子はきっと息子さん。
仲が良さそうで、こちらまでニコニコしてしまう。
「いつからお手伝いしているのですか?」
と尋ねてみた
「2年くらいになります」
でも言葉がおかしい??
ご主人が留学生ですよ、と答えてくれた。
てっきり息子さんと思っていたが、中国からの留学生をアルバイトで雇っているようだ。
「中国人には感謝しているんです」
「このお店が、やっていけるのは友人の中国人に餃子の作り方を教えてもらったからです」
「何か恩返しが必要とおもって、中国の留学生を雇っています。みんなまじめですよ」
お店が開店する前、必ず3人でまかないご飯を食べる。
それがとても楽しいと女将さんが言う。
留学生を受け入れるようになって20年以上経つ
「最初の頃は、みんな経済的に大変だったねえ、なんせ物価が10倍以上違う」
「送り出すご両親の負担も大変なものだよ」
「ここに来る子は、そんなに裕福な子じゃなあい。周りには生活に追われて、変な道へ染まっていく子もおおいよ」
中には店のお金を持って逃げた人もいる。
でも恨んだりしなかった。
ただただ涙が流れた・・・・・。
「何か役に立てばと思ってるんだがねえ」
額に刻まれた年輪が決して平穏ではない長い歴史を語っている。
3月末、「福助」は50余年の歴史に幕を閉じた。
一緒に訪れたライターの吉田さんももう天にいる。
「曾根崎心中」の舞台となったお初天神、ノスタルジックなお店の雰囲気がとても素敵でした。
今夜は餃子とお好み焼きそして吉田さんとのバカな取材旅行を肴にビールを飲みたい。


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