光市母子殺人事件。
高裁の「無期懲役」にたいして最高裁の「死刑を免れる理由が見あたらない」として高裁へ審議やり直し。
メディアは犯行の残忍さ、遺族であるご主人の心中を中心に報道を続けた。
世の中「死刑以外にない」の空気が流れていた。
判決は予想通り「死刑」
遺族のコメントは「当然。ようやく霊前に報告できる」とほっとした様子だった。
被告弁護士は「きわめて遺憾、不当判決」とコメントをのこした。
私は死刑になるだろうと思っていたので、被告弁護士のコメントには
「いつも弁護士はこうだ」といきどおりを感じた。
とにかく亡くなったお母さんと赤ちゃんが気の毒でしょうがなかった。
ところがこんな記事を見た。
朝日新聞アエラ4月28日号 光市事件被告主任弁護士安田好弘さんの記事。
(判決前の取材)
「はじめて元少年に会ったとき。おさないな〜」との印象。
「そして事件について話を聞いたら、びっくりの連続」
「今まで聞いていたこととだいぶ違うな」
「これは前任の弁護士があまり調べてないなあと思った」(よくあることらしい)
それから、警察が提出している証拠や司法解剖の検案書の内容に疑問を感じてきた。
「裁判所、検察、弁護士すべていい加減な仕事だ」
と感じた。と応えていた。
安田弁護士は
「せめて正当な裁判をしてやらないと」
「ますます司法が崩れる」
そんな思いでこの事件に関わったようだ。
この事件で安田弁護士は「悪魔の弁護士」とたたかれ、
当時タレント的な弁護士からはTVを通じて
「解任請求を出そう」と
非難され続けた。
安田弁護士はこれまで「オウム事件」や「和歌山カレー事件」そして「三浦和義ロス疑惑事件」のように人がいやがる事件を担当してきた。
元少年がこの母子を殺害したことは事実。あってはならないことだ。
罪を償うのは当然。
しかし、正当な裁判が受けられなかったとしたら、どうだろう。
もし自分に突然降りかかってきた事件で正当に裁かれなかったとしたらどうだろう。


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