エルパソにリオグランデという川が流れている。アメリカとメキシコの国境の川だ。
エルパソの街を南に徒歩15分、リオグランデに大きな橋がかかっている。入出国のゲートになっている。イミグレーションだ。
でも、ちょっと笑ってしまう。アメリカ側から徒歩でメキシコに渡る場合、管理官はいないしゲートもない。橋の中央部にコイン入れ(空き缶とかわらない)がありそこに25セントを入れればOK、(入れなくてもバレない)これでメキシコに入国だ。もちろんパスポートを見てくれる人もいないし、期待したスタンプも押してくれない。
しかし帰りはそういうわけにいかない。合衆国側にひときわ大きい入国管理事務所がある。管理官がしっかり一人一人チェックする。アメリカ人はもちろん我々日本人もそう時間を取らせない。メキシカンをはじめヒスパニックはきびしくチェックされる。
違法移民が後を絶たず日帰りでもそう簡単に入国させない。
ある日、友人とメキシコ側にわたった。物価が安く、夜遅くまで開いているバーで飲んでいた。もちろんコロナビールとマルガリータ。浴びるほどのんでも1000円くらいだ。
帰りが問題になった。その友人もちろん日本人。無精ヒゲを伸ばし、よく日焼けしている。しかも顔のほりが深い。入国管理事務所でメキシカンに間違えられた。
もちろんパスポートは日本。しかも写真が似ていない・・・。長旅でヒゲが伸び、日焼けもしているからメキシカンに見えたようだ。入国管理官にはどう見ても日本人には見えなかったらしい。
しばらく押し問答が続き30分後ようやく開放されアメリカに再入国が認められた。
どんなやり取りがあったかと、尋ねたら。
「何処でパスポートを盗んだ?」
「日本の何処から来た、東京か北京か??」
「バドバイザーとコロナ、キリンどれが好きだ?」
なんてふざけた質問もされたようだ。
しかし緊張のあまり、まじめに答えたようだ。


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