マン・レイ展を見に行った。
写真に興味がなくても名前は知ってる方は多いだろう。20世紀前半を代表する写真家だ。ニューヨークとパリで活躍した。(1890〜1976)
展覧会会場は徳島近代美術館。文化の森と呼ばれる美術館、博物館、図書館などが集まった複合文化施設だ。
初めて行ったが、徳島にこんな立派な施設と展覧会が催されるとは思わなかった。(徳島のみなさんごめんなさい)ロケーションもいい。
話を戻そう。画家、デザイナーとしてスタートしたマン・レイはフランスの自由でユーモラスな作風に見せられNYからパリへと移り住み創作を続けた。絵画や彫刻の延長で写真も撮るようになった。
ソラリゼーションやレイヨグラフと呼ばれる作画法も彼が確立させた。
写真は光が当たると銀が反応して黒くなる(ネガフィルムの状態で)原理だが、光が強すぎると反対に白くなるという反応を起こす。ソラリゼーションだ。おそらく暗室作業中偶然発見したと思われるが、見事にアート化した。写真と絵、立体造形物をコラージュした近代写真アートの父といえる。
彼の撮影したポートレート写真は何故か目線をはずした作品が多い。カメラを見ていない。すなわち彼、マン・レイを見ていないのだ。
写真はコミュニケーション。撮る側と撮られる側の言葉なき会話だと思っている。
天才ゆえの孤独。そして愛する人へ届かないメッセージ。モノクロームの写真には写っているもの以外の不思議な空気を感じる。
そして、もう一つ彼の作品の特徴はセルフポートレートが多いことだ。「俺は誰だ」「俺は謎だ」と常に自問自答してたのかもしれない。
ちなみに私が好きなカメラマンはハーブ・リッツとアラーキーこと荒木経惟。

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