今日は9月18日。9.11から1週間経ってしまった。
今年になって(今頃なに言う)職場の受け持ちがかわったり、業務体制の変更、撮影依頼が増えNYのことなど考える暇もなかった。
テレビをつけるとヤンキースの松井が流れたので、ふと思い出した。WTCワールドトレードセンターには私の所属していた会社のヘッド・オフィスがあった。
私はスタジオ勤務だったので少し離れた場所だったが、WTCにはよく通った。いつも「でけぇビルやなぁ」と見上げていた。幸いにも7年前日本国内の不況のあおりでNYからは撤退した。だから犠牲者はいない。
当時、WTCには日本の会社が多く入居して、まさにリトルジャパン状態だった。
特に50〜60階には日本語が飛び交っていた。
すぐお隣の英会話スクールのスタッフさんにはとてもお世話になった(公私の私の方で)アメリカ人は5時になるとさっさと帰るが、悲しいかな日本人は毎日遅くまでだらだらと残業をしていた。いえいえ、まじめに仕事していました。時差の関係で夜東京からFAXが流れてきて、すぐ処理することも多かったなあ。
お隣の英会話スクールといえば、やはり夜の商売。客筋は日本人ビジネスマン。仕事が終わってからのクラスだから学校が終わるもの10時過ぎ。退社時間がよく一緒になった。日本からの単身組も多くそのままバーになだれ込んだ。
我々がよくかよったバーはWTC地下にあるバッセル・カフェ、横は地下鉄Eトレインの改札口(Aトレインと平行して走ってます)安心して飲めます。私はいつもミケラブというビールとスライス(トッピングなしのピサ)を注文していた。家路につくまでのほんの1時間の幸せだった。
事件の起きた9.11。すぐ駆けつけたかったが実際に行けたのはこの年の暮れだった。WTCはもちろん地下にあったバーは崩壊。スタジオ周辺も閉鎖になり近づくことさえ出来なかった。
「TAKE THE A TRAIN」この事件がなければきっと出版出来なかったと思う。でも帰る場所が一つ減った悲しい気持ちも同居している。


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