いつも喜び、 絶えず祈り、 すべてを感謝する。 そのような日々を過ごしたい。

2017/5/19

『悲しみの秘義』 若松英輔  

先日、場所を移転して改装されたイオンモールの本屋さんへ行きました。
なんだか前よりも明るくなって、いい感じ。

そこで、ふらふらと書棚を回っていたら、
上のほうに、星野富弘さんの本がありました。
また新しい詩画集がでたのかなと、ぱらぱらと見ました。

その同じ棚に、若松英輔さんの本が。
100分de名著の講師として、とてもいいお話をしてくださる方。
友人もとても深い哲学者だと絶賛。

『悲しみの秘義』というその小さな本に、心ひかれました。
しかし、その時は買いませんでした。
図書館にあるかもしれないから、まずじっくり読んでみてと思ったのです。
ところが、わりと新刊だからか、図書館には入っていませんでした。

それでアマゾンへ。(本屋さんごめんなさい)
奥様を亡くされたことは、なんとなく知っていましたが
生きることの意味を真摯に考え、求めつづけておられるその姿勢に
とても共感しました。
見えないものをみる、
内なる声を聴く。
希望と勇気。
とても深い思索があります。

原民喜についても話しておられました。
広島とのゆかり。

若松さんが師と仰ぐ神父さんのことを知り、
『イエス伝』を読んでみたくなり注文。

須賀敦子さん、石牟礼道子さんについても
響きあえます。

心の通じる思想家との出会いは、そんなに多くはありません。
この出会いを、大切にしたいと思いました。

追記

読み終えました。
今日5/21(日)、ラジオFMNHKの「松尾堂」でも、
漱石の生誕150周年が今年2017年であるといい
イッセイ尾形と姜尚中さんがゲストとして出演。

そしてこの本の最後25に、漱石の「心」が取り上げられていました。

同じ想いを共有できること。
同じものに共感できること。

いつもはつい、線を引いたり、書き込みをしたりするのですが、
この本には、それをすることができませんでした。
次に読むときには、どこが琴線に触れるか、、、、
それを確かめ楽しみたいと思いました。

久しぶりに心に深く聴こえるエッセイに出会えたことを
心から感謝いたします。



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エッセイ 『悲しみの秘義』  若松英輔
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2017/5/11

ヴァイオリンとチェロの四季  音楽

時々、生の音楽を聴きたくなります。
今回はとてもいいタイミングで、いつもの「ワンコイン・コンサート」に行けました。

5/11(木)11:30〜12:40くらい

兵庫県立芸術文化センターには、PACというオーケストラがあります。
若い音楽家を育成するためのもの。
指揮者で音楽監督の佐渡裕さんが作られました。

今日の二人は、名門ロシアのコンセルバトワールを卒業して、
去年の5月にPACのメンバーになったロシア人の若い男女。

タイール・キサンベイエフという男性がヴァイオリン。
エリナ・ファスキという女性がチェロ。

わたしの席は、D-4で、舞台に向かって左側。
ピアノの指が見える場所。
ヴァイオリンの楽譜で、チェロの女性の顔がよく見えなかったのは、ちょっと残念ではありましたが、二人の弦の動きはよく見えました。

プログラムは
ヘンデルのパッサカリア
 かなりアレンジしてありました。不協和音をうまく使っていたような。

チャイコフスキーの《四季》より 
4月 松雪草 (これは童話「12月」でもあったように、春を告げる花。日本の福寿草と同じ)
 6月  舟歌 (耳に馴染んだ曲)
 10月 秋の歌 (この曲も知っています)
 11か12月 トロイカ (あの民謡とは違います)
       (プログラムには11月と書いてありましたが、彼らは12月と言ってました)
  ロシア人のチャイコフスキー。。。と思うと、その音色が慕わしい気がしました。
  二人は、日本語で曲目の紹介などをしてくれました。
  とても微笑ましく、この二人には、どんな未来が待っているのだろう、、、と想像しました。

若い女性の外国人のチェリスト・・・ジャクリーヌ・デュ・プレを思い出しました。彼女はイギリスのチェリストだったのですね。

二人には、自分の音楽・芸術を極め、満足のいく演奏活動をなさってほしいです。

ピアソラ ブエノスアイレスの四季
            T.ブエノスアイレスの春    青年期
            U.ブエノスアイレスの夏    壮年期
            V.ブエノスアイレスの秋    熟年期
            W.ブエノスアイレスの冬    老年期
今年はピアソラの没後25年。記念の公演もあるようです。
この曲はとても有名らしいですが、知りませんでした。
しかし、あちこちに「ピアソラ印」が垣間見えました。
歯切れのいいバンドネオンの音を思わせる。
それぞれの曲想が、よく表現されていて、確かに「見えました」人生が。

ピアノの阿見 真依子もこれからが期待されるピアニストのようです。

なかなかいい演奏会でした。
感謝。

    
 

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2017/5/9

『蜜蜂と遠雷』 恩田陸  

うーん、作者のツボに完全にはめられました。
というか、私のツボと作者のねらいが同じだったのか。

音楽が鳴る・・・というラジオからの紹介で、読んでみたいと思いました。
買おうかなと思ったのですが、面白くなかったら損だし、なんてことで
いつもの図書館へ予約。
240番待ちくらいでした。
それが84番くらいになったときに、友達が「買いましたよ!」と。
読んだら貸してねとお願いして、ついに借りました。
76番くらいになっていた予約をキャンセル。

もう面白くて、一気に1日で半分くらい読みました。
目次も凝っていて、曲の名前や音楽に関連した単語。
なかなか憎い演出。

もちろん、すべての曲がすぐに浮かんでくるわけではありませんが、
有名な曲が多く、想像しながら読み進みました。

第3次予選が最高に盛り上がり、作者の音楽に対する思い入れがひしひしと伝わってきました。

ツボにはまったというのは、
宮沢賢治の「春と修羅」
アッシジの聖フランチェスコ
泥の中に咲く蓮の花

みんな私が大事にしているもの。

******
P218
世界に溢れている音楽を聴ける者だけが 自らの音楽をも産み出せる。

P492
音楽は箱の中に閉じ込められている。
本当は、昔は世界中が音楽で満ちていたのにって。
******

たしかに、この黒い本には、風間塵や栄伝亜夜、マサル・カルロス・レヴィ・アナトールや高島明石のピアノの音色がつまっていました。
ピアノを連想させる装丁も、なかなか。
読み終えてから、カバーを外して、中の真っ黒い表紙に気がつきました。
見開きがなぜツルツルの白い紙なのだろうと思っていましたが、
黒鍵と白鍵だったのですね。

さすが本屋大賞と直木賞を受賞した本でした。

満足感でいっぱいです。
やっぱり音楽って、生きていくのになくてはならないもの。
私は聴くだけの側ですが、演奏家ってすごいな。

芳ケ江国際ピアノコンクールをずっと聴きに行ったような感じです。
第3次予選から本選への時は、紅茶を飲んで一息いれたほどです。

天才たちの演奏、迫力がありました。
音楽への感謝。

そして音楽をこんなにも熱く、言葉(文字)で語ることができる人、
恩田陸さんに敬意を表します。

恩田陸さん、名前は知っていましたが
初めて読みました。
やっぱり買おうかな。。。


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『蜜蜂と遠雷』   恩田陸


追記
2017年5月26日の天声人語に取り上げられていましたね。
やっぱり、浜松国際ピアノコンクールがモデルだったのでした。
そして「塵君」のモデルもいたんだあ。
実際に客席で恩田さんは聴いていたのね。
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2017/5/5

『美しい距離』  

図書館の特別企画「ヒミツノ百冊」で借りた、『美しい距離』を読み終えました。
薄い本だったので、すぐに読めたのですが、
内容がガンで妻を亡くすというお話だったので、
気持ちは重かったです。
40代でガンになってしまった妻の介護の日々。

ただ、最初に作者が、父親をガンで亡くして、その闘病生活見て、
介護生活を送ったということを知ってしまっていたので、
主人公の夫の「感性」なるものが、どうしても女性の感性に感じられた。

これは西加奈子の「さくら」を、対面朗読で読んだときにも感じたことでした。
女性作家が書く、男性の主人公。

昔の小説家、特に愛読してきた夏目漱石のものなど、
そのような男女の違い(感性の)を意識したことはなかった。
というより、私自身があまり女性の作家を深く読んでいなかったのかもしれない。

美しい距離とは、死者との距離のことだった。
「星が動いている。惑星の軌道は歪む。太陽も位置をずらす。
宇宙の膨張によって、惑星も少しずつ移動しているのだ。
宇宙は常に広がっていき、星と星との間はいつも離れ続ける。
すべてのものが動いている。」
という書き出しは、夫と死にゆく妻の距離のことを暗示していたのでした。

私も父親を肺せん癌で亡くしました。
父とのホスピスでの最期の日々を思い出しました。
死への心の備えをすることができたことは
幸いだったのかもしれません。

読み終えて、なんだか気持ちが重くなりました。

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2017/5/3

『静かな雨』 宮下奈都  

5月の連休、みなさま、いかがお過ごしですか。
私は家に引きこもって読書の予定どおり
今日から、励んでいます。
とりあえず、図書館の次に予約のある本から・・・
というわけで宮下奈都の『静かな雨』
短いので、すぐに読み終わりました。
これがどうもデビュー作らしい。
福井県生まれで上智大学で学んだ人。
なんとなく、ずっと前に見たドラマで、ゴーストライターから作家になった女性のことを思い出してしまいました。
もちろん、この人がモデルではないと思いますが、
後に『羊と鋼の森』で本屋大賞をとることになった宮下さんでした。
この『羊・・・』を読んで、この作家に興味を持ったのでした。

最初のつかみが、なかなかうまい。
たい焼き、、、また食べたくなりました。
(『新参者』の時と同じ)

少し前に、脳の本を読みましたが、
人間の記憶は、脳のほんの一部を損傷するだけでも、損なわれてしまう。

『博士の愛した数式』?の主人公を連想しました。

行助(ゆきすけ)という主人公を、なぜ先天的に足が悪い男の子にしたのか。
この名前が父親が読んだ新聞の連載小説の主人公からとった、、、
というくだりでは、漱石の「それから」と「門」の主人公の名前はなんだったかな、と考えました。
答え;「それから」は代助、『門」は宗助。
行助ではありませんでした。

短編〜中編のものですが、いろいろ想像させてくれました。
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