いつも喜び、 絶えず祈り、 すべてを感謝する。 そのような日々を過ごしたい。

2014/4/29

『さよなら ドビッシー』 やすらぎ  音楽

祝日の雨の火曜日
図書館の返却日が過ぎてしまった『さよなら ドビッシー』を読みました。
中山七里さんのこれが、第8回 『このミステリーがすごい!』の大賞を受賞した作品です。

ドビッシーの「月の光」と「アラベスク第1番」は、共に有名な曲で、BGMにもふさわしい
やすらぎと癒しを与えてくれる曲。

フィリピンの地震・津波で亡くなったり、自宅の火災での焼死、ちょっと過激なあり得ないような設定に、どうなることかと思っていたら、加えて神社の石段からの転落死・・・など。
全身やけどで皮膚移植をした高校1年の少女がピアノのコンクールを目指す。

魂のこもった音楽とは。。。

*****
P263
「人が感動するのは、いつだって人の想いだけだからね。
 その想いを形にしたものが芸術性だ」
P264
「音楽で映像を見せる・・・それがあたしの欲する音楽の魔法だった」
P267
「楽器にも生命がある・・・
 演奏者が真摯に音楽と向かい合い、楽器を自分の依り代とした時に
 生命が吹き込まれる」
P297
「彼ら(弱者)を攻撃し排斥しようとする。
 そうしているうちは自分の卑屈さを感じなくて済むからだ。・・・・
 表現法というのは、つまりその人間の闘い方だ。」
  腕力。言葉。文章。音楽。
P350
「自らの安息と自由を捨て、
 その上で恐怖と絶望の中から立ち上がろうとする人間が
 どんな音楽を奏でるのかをね」
****************

突発性難聴という病を抱えながらもピアノを弾く岬洋介と
全身やけどという傷を負った少女が、
アサヒナ・ピアノコンクールを目指す。

ミステリー小説に最後のどんでん返しがあるのは、常套だけれど、
心地よい驚きでした。
そして、しばらくは「さよなら」ドビッシー。

思えば、「おやすみ ラフマニノフ」も最後は「おやすみ」という終わり方。

「いつまでも ショパン」は、二人のピアニストにとって「いつまでも」なのだろうか。

どんな音楽だったかを知りたいときに、
さっとパソコンで検索して、試聴できるこの便利さ。

オーケストラの奏でる音の違いも、聴き分けることができる。
ピアノやヴァイオリンの音色の違いは、好き嫌いの違いもある。

また、聴く側のそのときの気分というのも作用する。

苦しいときに、癒してくれるのは、やはり音楽。
演奏家たちの血のにじむような努力が、報われますようにと思います。

高慢にならず、人に喜びと慰めと勇気と希望を与えるような演奏家と
出逢えたら、至福の喜び。

生の演奏に優るものはないとはいえ、
ラジオやCDで聴く音楽に癒されることも多い。

音楽のもつ力をまた教えられました。

やすらぎのドビッシー、こんにちは。




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京都    蓮花寺

やすらぎを与えてくれるお寺です。
どうぞ観光地化しませんようにと祈ります。

northland-art-studioさんからお借りしました。

追記

1990年第12回ショパンコンクールの映像をみました。
ナレーションを森本レオがしているものです。
この年は日本人の第1次通過者が8人とかで、
本選に残った横山幸雄が3位、高橋多佳子が5位という好成績。
審査員には中村紘子(1965年第7回4位)がいました。
内田光子(1970年第8回2位)や、小山実稚恵(1985年第11回4位)が過去の入賞者だったことも、実は知りませんでした。
5年ごとに開催されるこのコンクール、来年2015年10月にあります。
ショパンの命日である10月17日の次の日に本選が行われる。
成程。
命日には、ワルシャワにある聖十字架教会でモーツアルトのレクイエムが演奏される。
ショパンの心臓が納めてある教会で。

いかにショパンが、世界中の多くの音楽家に愛されているか、
よく分かりました。
ショパン関連の本を図書館に予約しました。
ピアノの詩人、いろんな演奏家の演奏も聴き比べてみたくなりました。
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2014/4/28

『いつまでも ショパン』  音楽の力  

音楽ミステリー小説がこんなに面白いとは。

中山七里作『いつまでも ショパン』を読みました。
図書館で次に借りたい人がいることが分かったので、ドビッシーを途中でやめて、
急いでこちらを読みました。

ピアノの弾ける探偵・岬洋介は、なんと今回はショパンコンクールに出場。
明らかに辻井伸行さんを意識したピアニストも登場。
そしてテロリズム。

音楽の力・・・がテーマでした。

推理小説なので、内容を詳しく書くのは控えますが、
今度も、
最後まで諦めない。
言い訳をしない。

潔く優しく素敵な岬洋介でした。

自宅にあるCDから、ショパンのものを抜き出したら、結構あることが分かりました。
私はショパンのピアノが好きだと再認識しました。

中山七里さんは、アシュケナージのピアノで聴いておられるようですが、
私はピリス(ピレシュ)、ふじ子・ヘミングが多く、
そのほかにも古いところでは、ルービンシュタイン。
ミケランジェリ。ポリーニ。アルゲリッチ。

「ポーランドのショパン」を意識させられました。
国民の音楽家。祖国を愛した作曲家。
抵抗精神。不屈の復活力。

人は、厳しい境遇にあるときに、人生の一番大事なことを学ぶのかもしれません。
重荷は人それぞれですが、逃げないで立ち向かう姿勢。

芸術家の苦悩・歓喜・挫折・栄誉・・・・

さまざまなことが頭の中でぐるぐる回ります。

まず、夜想曲(ノクターン)2番を聴かねば・・・

今年の連休は旅行の計画はないので、
ゆっくり家で、音楽の旅をします。

みなさんは、どんな連休をお過ごしになりますか。


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音声菩薩   奈良

northland-art-studioさんからお借りしました。
いつもありがとうございます。
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2014/4/23

『おやすみ ラフマニノフ』 中山七里  

中山七里という作家は、全く知りませんでした。
NHKFMの「きらクラ」にゲスト出演なさって、推理小説で音楽系のものがあると初めて知りました。
知る人ぞ知るで、名前はその筋ではよく知られているらしい。

早速、図書館で、「おやすみ ラフマニノフ」「さよなら ドビッシー」「いつまでも ショパン」を予約しました。本当に図書館はありがたいです。
しかもネット予約。入ったらメールで連絡が来て、買い物のついでに西分館で受け取る。

このところ、忙しくて、本を読む余裕がありませんでした。
やっと一息ついて、今日はどこへも行かないで、終日横になって、ときどき寝ながら、
『おやすみ ラフマニノフ』を読み終えました。

作者は岐阜県の出身なので、舞台は名古屋。
私は最初に就職したのが名古屋市内だったので、よく知っている地名が出てきて、
とても興味深く読みました。

主人公は城戸晶(きど あきら)男子学生のヴァイオリニスト。
探偵は岬洋介(みさき ようすけ)男性のピアニスト。
ピアノの弾ける金田一耕助をイメージしたとか。
音楽大学のオーケストラなので、チェロを弾く女子学生も出てきます。
ジャクリーヌ・デュプレもキーパーソンです。

途中、受けを狙っているのかなと、やや鼻白むところもありましたが、
中盤以降、なかなか良かったです。
演奏の描写が丁寧過ぎるほどですが、最後のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、その描写を読みつつ頭の中に突然曲が流れてきました。
あとでゆっくり全曲を聞きながら描写をたどってみたくなるほどでした。

作者は楽器も弾かず、楽譜も読めないとかおっしゃっていましたが、
演奏の映像からその演奏者の心理描写・演奏技術を読み取るわざを持っておられるようです。

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心に残った言葉
岬洋介が、定期演奏会の演奏直前に言う言葉
「大切なその人に向けて演奏するんです。
その人に聴こえるように。
その人の胸に届くように。
その人と話すこと、
その人を楽しませること、
そしてその人を慰めること。
それが音楽の原点なのだから。
P274

襲い来る苦境と闘うため、ありったけの勇気と闘志を掻き集めて武装する。
P287

音楽は生き方なのだ
P287

自己陶酔なんて 前進できなくなった人間の逃げ道でしかない。
P302

ある基準を超えると人間性と音楽性は別物になる。・・・
きっとすぐれた表現者ほど
それに見合った何かをささげなければならんのだろう。
P310

  (そしてFMの「きらクラ」でそれにBGMをつけるようにと読まれた部分も)
「空気読めないんですか!こんな騒然とした中でヴァイオリン弾いたってだれも聴いたりしません。かえって邪魔者扱いされるだけです。戦争とか天災とか、自分の命や生活が風前の灯だって時に人は音楽なんて必要としません」
「うん。僕もそう思う」
「だったら!」
「でも、全ての人が皆そうなのだろうか?」
岬先生の目が不意に優しくなった。
「確かにたいていの人は危急存亡の刻にのんびり音楽なんて聴かないだろう。一曲のワルツよりも一片のパンを望むだろう。一曲のセレナーデよりも柔らかなベッドを望むだろう。しかしそれでも、中には心の平穏を求めてピアノの旋律を渇望する人がいるかもしれない」
「それは・・・でも・・・・」
「科学や医学が人間を襲う理不尽と闘うために存在するのと同じように、音楽もまた人の心に巣食う怯懦(きょうだ)や非情を滅ぼすためにある。
確かにたかが指先一本で全ての人に安らぎを与えようなんて傲慢以外の何ものでもない。
でも、たった一人でも音楽を必要とする人がいるのなら、そして自分に奏でる才能があるのなら奏でるべきだと僕は思う。
それに音楽を奏でる才能は神様からの贈り物だからね。人と自分を幸せにするように使いたいじゃないか。」

 (そしてこのあと洪水の被害を避けるために体育館へ避難している人たちの前で
 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調を、
 岬先生のピアノ伴奏で城戸君がヴァイオリンを弾くのです)

***********************

この小説は2010年10月に発行されています。
2011年の3.11の東日本大震災・大津波のあと、音楽家たちが悩んだことへの答えがここにある。
作者自身、驚いたそうです。
そしてこの部分を選んで朗読してもらった。


小説の中に音楽があると、その曲を聴いてみたくなります。
ここまでその演奏描写をした作品は、初めて読みました。

あとの2冊も楽しみです。


追伸  
三浦しおん著『舟を編む』は、本好きにはたまらない作品でしたが、
今日、テレビ大阪で地上波初の放映があると友人が教えてくれました。
楽しみです。

中山七里さんの音楽推理小説も、映画化されたら・・などと思いました。


さらに追伸
「さよならドビッシー」は、2013年に映画化されていると知りました。

ストラディバリは、ヴァイオリンだけを作ったのかと思っていましたが、
チェロも作っていたことを、この「おやすみ ラフマニノフ」で知りました。
みなさんは、ご存じでしたか。

名器は、生き物のように語りかけてくる。
すごい体験ですね。
芸術の深みを思います。
演奏者だけではなく、楽器を作る職人の名人技も、後世に残るのでした。

チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調と
ラフマニノフのビアの協奏曲第2番を聴いています。

2曲とも大好きな曲です。



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荒牧バラ公園の白い薔薇
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2014/4/21

漱石 「こころ」  

100年たってまた新聞に連載される小説がある。
夏目漱石の「こころ」

100年前の日本人は、どのような気持ちで毎日この連載小説を読んだのか、
想像してみるのも楽しい。

「こころ」は、私が本の好きな少女から、文学にめざめた中学生になった大切な小説です。
もう何度も読み返してきましたが、
このたびの朝日新聞の連載を、切り抜きながら毎日じっくり深く読めたらと願っています。

大江健三郎さんのインタビュー記事。
脱原発を声を大きくして訴え、デモ行進にも参加なさっている。
ぶれない生き方ができる人間になりたいと思っている私にとって、
尊敬できる人生の大先輩です。

漱石ー大江ー姜ー村上・・・
このひとたちに共通するものは何か。
どこがつながっているのか。
時代とどう向き合っているるのか。

いろんなことを考え、模索しながら、
「こころ」を読みたい。


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「ニュー・ドーン」 広島の「ぶどうの樹」さんからお借りしました。
やがて薔薇の季節が始まります。
花は 静かに 精一杯 同じところで咲きます。
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2014/4/17

猫のしま子 余命半年  動物

去年の5月頃、家の庭の木の下で、弱っていた小さい猫に餌をやってしまいました。
野良猫と分かっていたのですが、その痛々しい姿、声もなかなか出ないその様子が
あまりにも可哀そうでほっておけなかったのです。

首のところの皮膚がおかしかったので、市販の薬を買ってきて塗ってやりました。
やがて、秋になって子猫を2匹連れてきました。
これは大変だと、餌をやるのをやめようと思いましたが、
子猫があまりにも可愛くて、また餌をやっていました。

ご近所には、ふんの大迷惑をかけていることも知らずに。。。

そして去年の終わりころ、ついにお隣から苦情がきました。
愛護センターへ連れていったら殺処分とわかっていたので、
連れていけませんでした。

子猫だけでももらってくれる人がいたら、、、と思い
教会の録音部の人たちや、朗読ボランティアの仲間に声をかけました。
そうしたら、朗読ボランティアの仲間が、子猫をもらってくれました。
今年の年賀状にも写っていて、「ゆず」と名付けられた子猫はしあわせになりました。

最初は警戒していた親猫のしま子も、だんだん甘えてくるようになり、
触ったり、抱っこしたりできるようになったので、避妊手術をうけさせようと思いました。
動物病院へ連れていったら、「歯が無い」ことが分かり、もう若くはない猫だということを知りました。
手術の日、左の胸に腫瘍がある事が分かりました。
組織検査の結果、今日、末期の癌であると言われました。

余命半年。
最後の日々をうちで送るようにと、深いご縁でしま子はうちへ来たのでしょう。

2階のベランダに面した部屋がしま子の部屋になりました。
暖かい日差しを浴びて、痛みのない日々を過ごせたらと祈ります。

何だか、とても哀しいです。

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